2017-01-21

ロワールの中心都市「トゥール」/温かな黄色に包まれるカフェ 【フランス旅】

フランス、ロワールの中心都市トゥールのカフェ内部

トゥール/サントル=ヴァル・ドゥ・ロワール/フランス
Tours/Centre-Val de Loire/FRANCE


黄色という色の印象は一般的に「元気」「明るい」「陽気」などである。
しかし時には、とても落ち着いた雰囲気を作り出す黄色もある。

ここは、旧市街のあたりをグルグルと巡ったのち、寒さしのぎに入ったカフェ。

鮮やかな黄色のオーニングを掲げた店舗は、外から見れば「元気」で「明るい」イメージだった。
しかし、中に入ってみるとその雰囲気は正反対。
オーニングを透過した光が、しっとりとした柔らかい雰囲気を作り出している。

ショコラ・ショー(ホット・チョコレート)を飲み干す前に、「穏やか」で「あたたか」な黄色の魔術に、しばらくウトウトしてしまう。
テラスから聞こえてくるガヤガヤとした話し声も、ここでは、異国の子守歌のように・・・。

フランス、トゥール旧市街のプリュムロー広場の様子
Place Plumereau

変更された地域圏名


このページに掲載の写真を撮影したのは2008年、2009年。
そのころ、トゥールの町がある地域圏はサントル(Centre)と呼ばれていた。

当時私は「トゥールは(ロワール地方の中心都市でありながら)ペイ・ドゥ・ラ・ロワール(Pays de la Loire)ではなく、サントルなんだ・・・」と、甚だ勝手ながら、何となく拍子抜けするような気持ちでいたものである。

ところが、2017年の今、この文章を書こうと、トゥールの町がある地域圏の名称を改めて調べてみたところ、サントルではなく、サントル=ヴァル・ドゥ・ロワール(Centre-Val de Loire)とある。

「あれ。名前が変わったの?」といった戸惑いと共に、納得もした。
名称変更の経緯や真意はわからないが、やはりそこには「ロワール」の名が入った方がしっくりくる。
調べてみれば、もともとサントルだけだった地域圏の名称に、2015年、ヴァル・ドゥ・ロワールの名が付け加えられたようなのだ。

これでトゥールは、紛れもなく”ロワールの中心都市”といったイメージとなる。

そして、西にペイ・ドゥ・ラ・ロワール、東にサントル=ヴァル・ドゥ・ロワールと、上流域を除くロワール流域の町々が所属する地域圏名、いわゆる冠に「ロワール」の名がついた。

遠くにいるフランス好きとしても、僭越ながら、、、賛成!


【行き方】
・パリ、モンパルナス駅からTGVでおよそ1時間15分。

【主な見どころ】
・Le Vieux Tours (トゥール旧市街)
・Place Plumereau (プリュムロー広場)
・Cathédrale Saint-Gatien (サン=ガシアン聖堂)
・Musée du Compagnonnage (職人徒弟制度博物館)

【参考サイト】
Office de Tourisme de Tours (トゥール観光局)
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)

2017-01-11

シチリア「シラクーサ」で出会った母と子 【イタリア旅】

シチリア島、シラクーサ旧市街の路地で出会った母と子

シラクーサ/シチリア/イタリア
Siracusa/Sicilia/ITALIA


小さいころは 甘え
大きくなって 抗い
離れれば かけがえなく



シラクーサはシチリア(Sicilia)の南東部にある町。様々な資料に、ギリシア時代に大変栄えたという記述がある。

古代ギリシアの数学者アルキメデスが生まれた町と聞けば、「アルキメデスの原理」がどういうものだったかすぐに思い出せなくとも、何となく、歴史ある重要な町として、訪ねなければならないような気がしてくる。

街はシチリア島の本土側と、本土から少しだけ離れた小さな島「オルティジャ」(Isola di Ortigia)とに広がっている。

本土側には、イタリア鉄道(Trenitalia)の駅があり、イタリア全土の主要都市と繋がっている。また、駅のすぐ近くにはバスターミナルがあり、カターニア(Catania)やパレルモ(Palermo)からのバスがここで発着するなど、町の玄関口となっている。

考古学に興味のある方は「パオロ・オルシ州立考古学博物館」(Museo Archeologico Regionale Paolo Orsi)を見学するのがいいようだ。
私は訪ねたことはないが、規模が大きくとても充実しているらしい。

さらに、円形闘技場(Anfiteatro Romano)やギリシア劇場(Teatro Greco)など、見ごたえある古代遺跡も本土側にあり、これらは観光ポイントとして欠かせない。

おすすめは オルティジャ島の散策


もし旅程に余裕があるなら、本土側ではなく、オルティジャ島での滞在をお勧めする。

島はそれほど大きくはない。有名どころだけをかいつまんで観光するなら半日で回れるだろう。しかし、できれば丸一日を過ごしてみるのが面白い。

リゾート観光地のような雰囲気を醸す地区もあるのだが、一方で、味わい深い小路の入り組んだ庶民的な界隈も多く、ぶらぶら歩くのがとても楽しいのだ。

イタリア、シラクーサ旧市街で見た洗濯物のGパン

朝、大きな篭を持って市場へ出かける人たちとすれ違い、「Buon Giorno!」「Ciao!」などと笑顔で挨拶を交わし、夕方になれば、窓辺から漏れる柔らかな灯りと共に、カチャカチャと鍋や食器のぶつかる夕餉サウンドに旅情が掻き立てられる。

そして、島自体が小さいので、ヴェネツィア(Venezia)などのように迷子になる心配もない。

ただ、どこの街でもそうだが、本能的に危険を感じるような路地には入らないことと、住人の生活を優先し尊重することは、忘れてはならない。

さて、冒頭の写真だが、オルティジャの東側の路地を散策していて出会った母と子である。

おそらくランドリーからの帰りだろう。何かが欲しいと泣きながら訴え続ける息子と、彼をなだめすかしながら家路を急ぐ若い母親。
二人の声が、薄暗く狭い路地に反響している。
路地の向こうに開けるのはイオニア海。

どこの国でも、同じような光景を目にすることがある。
そしてその度に、私も幼いころ、あの子と同じようなことをしていたのだろうか・・・と、故郷を思ってみたりするのである。

シチリア島、シラクーサ旧市街の小路でチェスをする住民たち




【 行き方 】
・カターニア空港からバスで、約1時間15分
・パレルモ中央駅からバスで、約3時間15分

【主な見どころ】
・Teatro Greco (ギリシア劇場)
・Anfiteatro Romano (古代ローマ円形闘技場)
・Museo Archeologico Regionale Paolo Orsi (パオロ・オルシ州立考古学博物館)
・Isola di Ortigia (オルティジャ島の旧市街)
・Tempio di Apollo (アポロ神殿)
・Piazza Duomo (ドゥオーモ広場)
・Duomo di Siracusa (シラクーサ大聖堂)
・Chiesa di Santa Lucia alla badia (サンタ・ルチア・アッラ・バディア教会)
・その他、大小様々な美しい教会がある。

【 参考サイト 】
Comune di Siracusa (シラクーサ市)
Interbus (インテルブス/バス会社サイト)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

2017-01-01

ブルゴーニュの美しい町「スミュール=アン=オーソワ」 【フランス旅】

アルマンソン川に映るブルゴーニュ「スミュール・アン・オーソワ」の街並み

スミュール=アン=オーソワ/ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ/フランス
Semur-en-Auxois/Bourgogne-Franche-Comté/FRANCE


スミュール=アン=オーソワを初めて訪れたのは2003年12月。ブルゴーニュの村々を巡る旅に出かけたときのことだ。

当時よく利用していた、深夜に日本を発ち早朝にパリに着くエールフランス便でシャルル・ド・ゴール空港に降り立つと、すぐにレンタカーを借りてまずは最初の目的地プロヴァン(Provins)へ。

話はそれるが、このパリ朝着エールフランス便は、身体が少々きつくても旅行期間を目いっぱいに使いたいと考える場合、とても有効だ。
東京近郊に住んでいれば、仕事を終えたその日の夜に飛行機に乗って、翌朝すぐに旅をスタートさせられる。

夜明け前にCDG空港から車を走らせれば、ゆっくりとした運転でも、パリから約75km離れたプロヴァンに、午前10時前には到着する。つまり、フランスに着いた初日を、一日まるまる使えるのだ。

話を戻そう。

その日は、プロヴァンから更に東南東へ65Kmほど進んだトロワ(Troyes)で一泊。

翌日、ワインで有名なシャブリ(Chablis)やイランシー(Irancy)を巡るなどしながら、サンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路の起点となっている町ヴェズレー(Vézelay)近郊で一泊。

そして、3日目にようやくスミュール=アン=オーソワへ到着するのだが、特に有名な町ではなかったので、もともとそんなに期待してはいなかった。

だが、いつものように街の散策は楽しかった。
期待していないといっても、それは他の町に無い何か特別なものを・・・ということであって、決してマイナスの意味ではない。街は美しく、素敵なのだ。

この辺りの町や村は概ねどこも魅力的で、この町も例外ではない。
古い建物が美を携えたまま残っているし、住宅のドアや窓には、現代風だったり古風だったりと、工夫を凝らした装飾がなされ、生活を兼ねた住人の演出も素晴らしい。
もちろん立派な教会や塔もある。可愛らしいブティックや、オシャレなカフェもある。

ブルゴーニュの町スミュール・アン・オーソワの教会内部
Collégiale Notre-Dame de Semur-en-Auxois

運が良ければ見られる 美しい景色


さて、冒頭の写真だが、これは、翌朝、アルマンソン川沿いから見た旧市街の景色だ。
風のない晴れた日で、空と町が川面に映り込み、とても美しい。

実は前日、夕方あたりから雪が降り出し、天気は悪くなる一方だった。
だからこの晴天は、運が良かったとしか言いようがない。

ピーンと張り詰めたような澄んだ空気。鳥の声だけが、遠くから近くから、重なるように聞こえてくる。肩をすくめ 手に息を吹きかけながら、この景色の中に浸る。

前日も同じ場所を訪れていたが、水面が波立っていたのだろう、この場所がこんなにも美しい姿を見せてくれるなどと想像することもなく、ただ町を見上げていた。

それにしても、これほど 見ごたえのある風景なのに、それを見ようと来る人が誰もいない。
出会ったのは、犬を散歩させていた頬っぺたの赤いお兄さんと、寡黙に釣りをする人(橋の下、右岸辺あたりにいます。)の二人だけ。

この辺りに住む人たちにとって、これが「当たり前の景色」ということか。

スミュール・アン・オーソワのアルマンソン川の岸辺。霜が降りて美しい蔦の葉




 【 行き方 】
・パリから鉄道で行く場合
「Paris Gare de Lyon」から TGV で「Montbard」まで約1時間。
「Montbard」から「Semur-en Auxois」まで約20Km(タクシー)。

【 主な見どころ 】
・Collégiale Notre-Dame de Semur-en-Auxois (ノートル・ダム参事会教会)
・Rue Buffon (ビュフォン通り)
・アルマンソン川沿いから見上げる街の景色

【 参考サイト 】
Office de Tourisme de Semur-en-Auxois (スミュール=アン=オーソワ観光局)
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)

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