2017-10-21

プツリ途中で切れていた「サント=マリー=ドゥ=ラ=メール」への道 ①(フランスの田舎式渋滞対処法) 【フランス旅】


エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>に立っている変わった道路標識
エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>

サント=マリー=ドゥ=ラ=メール/プロヴァンス=アルプ=コート・ダズュール/フランス
Saintes-Maries-de-la-Mer/Provence-Alpes-Côte d'Azur/FRANCE


宿をとっていた エグ=モルト(Aigues-Mortes)の町を出発し、サント=マリー=ドゥ=ラ=メールへ向かうため、車で県道D85を南下していた。

道は幾つかあるのだが、この道が一番近そうだ ――。そう思いながら、対向車の来ない湿地帯を気持ちよく飛ばしていた。

あと数キロで着くんじゃないかなぁ。。。
まだ街の気配はないものの、走行時間を鑑みて、そんなことを考えていると、不思議な標識に出くわした。(冒頭写真)

青い標識は、一瞬、口ひげをたくわえ 帽子を被ったオジサンの顔か クワガタのように見えたのだが、よく見ればそれは船である。
そして下の赤い警告標識は、あな恐ろしや 自動車が水面に転落する図である。

かつて、ペイ・ドゥ・ラ・ロワール(Pays de la Loire)にある、ノワールムーティエ島(Île de Noirmoutier)を訪れた際、車両水没を描いた標識を見たことがあるが、あれと同じくらい恐ろしい警告だ。

エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>で渋滞した車の列

突然の渋滞。その原因は・・・


標識の横を通り過ぎると、ほどなく渋滞が始まった。と言うより、車は全く前に進まなくなった。

状況が呑み込めず しばらく待ってみるが、車列は一向に進む気配を見せない。
そのうち 一台の車から男性が降り、歩いて前方の様子を見に行った。

しびれを切らせた 別の人々が それを見て車を降り、前方を伺っている。
そして戻ってきた男性に、この先の様子を聞いている。

彼から話を聞いた人たちは、それぞれに色々な表情を全身に浮かべ パラパラと車に戻る。
私の車(写真右)の前方に停まっている車を運転していたムッスュが、親切にも私に状況を説明しに来てくれた。

「この先に川がある。渡るには船に乗る必要がある。ただ、船がなぁ・・・」
ニコニコ笑いながら言う。

船に乗る必要がある、というところまでは解ったのだが、その後の説明について、私は理解できなかった。

ということで私も車を降り、歩いて渋滞の先頭の様子を見に行ってみることにした。
車列が進む気配はないし、しばらく車を空っぽにしても 問題なさそうだ。

渋滞のために車を離れ ピクニックを始めた家族連れの様子
車を離れ ピクニックを始めた家族連れが 写真右隅に写っている

意図せず出来てしまった 空き時間の過ごし方


並んだ車に乗っている人たちの姿を見ながら前方へと向かう。
彼らの様子を見て、ずいぶん待たされることになるだろう、というのが よくわかった。

シートを倒して眠る人、読書を始める人、同乗者全員で車を降り 車にもたれながら寛ぐ人たち、洗車を始める人がいたのには、さすがに驚いた。

渋滞の先頭は確かに川だった。
そして、そこには遮断機と赤信号があった。(↑写真)

信号の先、遮断機の横に、何やら看板がある。(↓写真)
看板の近くでは、車から降りてきた家族連れがピクニックをしている。(↑写真)

「渋滞は嫌なもの」と、そんな概念が 私の頭にこびりついていたのだが、
意図せず出来てしまった空き時間を、皆それぞれが、好きなように、のんびり、自由に過ごしている姿が、なんだか「いいな」と思った。 < つづく >

エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>にある BAC DU SAUVAGE の説明看板



【行き方】
・エグ=モルトから車で 約30分(およそ25㎞)
サント=マリー=ドゥ=ラ=メールから車で 約10分

【主な見どころ】
Bac du Sauvage(大自然の渡し舟)
・Parc naturel régional de Camargue(カマルグ自然公園)
 近隣で、白馬やフラミンゴを見られる場合があります。

【参考サイト】
BACS(いろいろな渡し舟を掲載したページ)
Parc naturel régional de Camargue(カマルグ自然公園)
Office de Tourisme "Saintes-Maries-de-la-Mer"サント=マリー=ドゥ=ラ=メール観光局

2017-10-11

中世の時代に思いを馳せて歩いてみる。塔が立ち並ぶトスカーナの田舎町「サン・ジミニャーノ」 【イタリア旅】

イタリア・トスカーナの町サン・ジミニャーノの路地で犬の散歩をする女性

サン・ジミニャーノ/トスカーナ/イタリア
San-Gimignano/Toscana/ITALIA

真っすぐ進む それもOK
ちょいと寄り道 それもOK


サン・ジミニャーノは 塔の町 として有名だ。
町を遠景で眺めると、一番高いグロッサの塔(Torre Grossa)を中心に、10数本の塔がニョキニョキ建っているのが見られる。(下部写真参照)

そして、この遠景こそが、サン・ジミニャーノらしさの 象徴と言える。
観光案内や、お土産、色々な所に使われているマークなど、様々な場所に この「町の遠景」を象ったデザインが使われている。


ご存じかもしれないが、イタリアには 塔のある町がたくさんある。
そして、これらの塔はその昔、もっともっとたくさん建っていたらしいのだ。

例えばフィレンツェ(Firenze)では13世紀ころまで、およそ160本の塔が建っていたという。
しかし、21世紀となった今、ミケランジェロの丘(Piazzale Michelangelo)などからフィレンツェの景色を眺めても、町全体を写した写真などを見てみても、それほどの数は見当たらない。

もともと塔は、財力や権力を誇示するために建てられていた。
時代が移り、その必要がなくなったことや、老朽化で危険が伴うことなど、様々な事情で、壊されていったのだろう。

小さな町であるサン・ジミニャーノには、当時、72本の塔があったらしい。
しかし、やはりそのほとんどが現存していない。

それでも、72本のうちの14本が残っており、他の町に比べれば現存率が高く、これが現代において「塔の町」と言われる所以なのだ。

トスカーナの田舎町「サン・ジミニャーノ」の遠景
サン・ジミニャーノ遠景

中世の頃の繁栄を想像しながら歩く


塔の現存率が高いと言ったが、計算してみると、1割9分4厘。
野球の打者としては失格になる率である。

逆に言えば、中世と言われる時代、この小さな町に現在の5倍以上の塔があったことになる。

写真を観ながら、そこにある塔のシルエットを、5倍+αにして重ねてイメージしていただきたい。

スゴイ・・・が、異様でもある。

その様子は「中世のマンハッタン」とも言われると、いろいろなところで目にするが、
だとすれば、その繁栄ぶりは凄まじかったのだろうと、街を散策しながら、その昔に思いを馳せてみるのも一興だ。

町はそれほど大きくはない。
したがって、見どころもそれほど多くはない。

代表的な塔である「グロッサの塔」に登り、車などの運転の必要がなければ 名物の白ワインをエノテカなどで楽しむ。
そして、私は行ったことはないが、とても美味しいジェラテリアもあると聞く。

あとは ブラブラ歩いてみるのが 好いのではないかと思う。
街はどこも美しい。ガイドブックなどに紹介されていない、自分だけの素敵な光景に出会うかもしれないから。。。(頁Top写真参照)




【 行き方 】
・バス利用の場合(要 乗換1回):フィレンツェ→ポッジポンズィ→サン・ジミニャーノ(およそ1時間30分)
・フィレンツェから、レンタカーでおよそ1時間(約50㎞)

【主な見どころ】
・Piazza del Duomo (ドゥオーモ広場)
・Piazza della Cisterna (チステルナ広場)
・Torre Grossa (グロッサの塔)
・Porta San Giobvanni (サン・ジョバンニ門)
・Via San Giovanni (サン・ジョバンニ通り)
他、街歩きや、街はずれから見る町の眺め(遠景)も、見どころの一つです。

【 参考サイト 】
tiemme Toscana mobilità (トスカーナ、バス時刻表検索)
Comune di San Gimignano (サン・ジミニャーノ 町のHP)
街の地図/Associazione Pro Loco (サン・ジミニャーノ観光ページ)

2017-10-01

ルルドの蝋燭行列(La Procession Mariale)に参加して 平和~な気分に 【フランス旅】

カトリックの聖地ルルドの蝋燭行列の様子。聖母マリアの像を先頭に多くの方が蝋燭を持って歩いている。
蝋燭行列の様子。聖母マリアの像を先頭に多くの方が蝋燭を手に歩いている。

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE

何をしたつもりもない
それでも 誰かの心に 小さく 火が灯ったら
それは とっても 幸せなこと


旅行でこのあたりに訪れることがあるなら、ルルドに宿をとって、蝋燭行列
(La Procession Mariale)に参加、もしくは見学するのがいい。

聖母マリアの像を先頭に、蝋燭を持った大勢の人たちが列をなし、サンクチュアリ内を歩く。
静かに、ゆっくりと・・・。

私は、少し高くなっている カテドラルのテラスから、行列を眺めていた。
冒頭写真の眺めが それだ。

徐々に陽が暮れてゆき、行列は 金色の粒を纏った 光の帯となってゆく。

行列の側から、私たちがいるカテドラルの方を眺めても、きっと美しいだろう。
私たちの背後に陽が沈み、まさに今、夕焼けから夕闇へと 空がドラマチックに移ろいでいる。
(※2017年8月11日の記事 の写真をご参照ください。)

隣で同じように行列を眺めていた女性が、私に声をかけてきた。
「火をどうぞ」(たぶん)英語だった。
「Thank you」私は 彼女が差し出してくれた蝋燭の火に 自分の蝋燭を近づけ、火をもらった。
そして、反対隣りで行列を眺めていたカップルに、自分の蝋燭を差し出した。
何と言ってよいのかわからなかったので、無言で。でも顔の表情で言葉を作って。

「Merci」そう言って 火を受け取った彼らも、すぐまた隣の人へと 火を繋いだ。

行列のあと、そのままミサが始まる


ルルドの蝋燭行列のあと、カテドラル前の広場で行われる大規模なミサ
蝋燭を持った大勢のミサ参加者が、広場にも、カテドラルのテラスにも。

人々がカテドラル前の広場に集まり行列が終わると、そのままミサが始まる。

蝋燭行列の謂われや、ミサの中で行われる所作、語られる言葉の意味は、私にはよくわからない。
それでも、とにかくそこにいて、耳を傾けたり、動きを真似ていると、厳粛で平和~な気分になってくる。

その平和~な気分も、自分の中の平和というより、自分の外の平和というか、全体の平和というか・・・、うまく言えないのだけれど、広く大きな、大きいけれど決して強引ではない、そんな「力」を感じる。

例えば・・・火は、大きな炎となれば威圧感を持つけれど、その火を小さいまま皆に行きわたらせれば、エネルギーとしての総量が同じだとしても、大きな炎に比べ、美しく感じたり、恐怖心が湧かなかったり、「熱い」ではなく「温かい」だったり、なにか そんな感じ、かな。。。

ミサに参加しながら、時折、周囲を見渡すなどして、客観的にその全体を感じてみる。
コンサート会場で、一旦、演者から目を逸らせ、観客席を見渡してみるような、それに似た感覚。
多くの人の思いが、小さな蝋燭の火となって、ここに集結し無数に煌く様子は、筆舌しがたい。


ミサは、周囲にいる 初めて会った 見知らぬ人たちと 握手をし合って 終わる。

私も 近くにいた人たち(アフリカからの方が多かったなぁ)と握手をしたり、ビズ(bise)をしたりし、「おやすみ」とか「よい旅を続けてね」など、簡単な言葉を交わしながら、人々の流れに乗って サンクチュアリをあとにした。



【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

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