2017-12-21

2015年 パリ同時多発テロ事件後のクリスマス・イヴ/ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会で Joyeux Noël ! 【フランス旅】

2015年 同時テロ事件後、初めてのクリスマス・イヴに「ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会」を巡回する警備兵
2015年11月に発生したテロ事件後
初めて迎えるクリスマスに、教会内で警戒にあたる警備兵

ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会/パリ9区/フランス
Église Notre-Dame de Lorette/Paris 9e Arr./FRANCE


2015年の12月24日、23時過ぎ、パリ。
私はホテルの部屋で夕食を済ませ、出かけようとしていた。

今朝方 街で見かけた看板から、宿にほど近い「ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会」で、日付を跨ぐ「クリスマス・ミサ(la messe de Noël)」(深夜ミサ)が行われることを知り、それに参加してみようと考えたからだ。

夕食を済ませ・・・といっても、昼間のうちに買い込んでおいた雑穀入りパンと人参サラダを頬張り、2日前に買った野菜ジュースの残りで流し込む、といったものだが、深夜外出前の腹ごしらえとしてはこれで十分。
歯を磨き、コートを羽織り、マフラーをぐるぐる巻いて 部屋を出た。

――それにしても・・・食料を 昼間のうちに買っておいてよかったなぁ。。。
クリスマス・イヴである今日は、ほとんどの店が早い時刻に店仕舞いをしてしまう。
閑散とした夕方の街の様子を思い出しながら、私は螺旋階段を下った。

レセプションの若いムッスュに声をかける。「今日も夜勤ですか?」
「そう。僕はクリスチャンじゃないからね」彼が答える。
その返事が、どういう意図から出た言葉なのか よくわからなかったが、南無阿弥陀仏の立派な仏壇や 家を守ってくれている神棚が実家にある私は、「僕も」と応えた。

これから出かけることを告げ、帰りが遅くなっても問題ないかと聞くと、
「安全のためにドアに施錠はする。帰ってきたとき自分の姿が見えなくても、ドア横にあるベルを押して呼んでくれれば開けるから」との答えだった。

「Bon Noël !(よいクリスマスを!)」扉を開ける私に、クリスチャンでない彼が 言った。
私も「ボン・ノエル!」と応え、外に出た。


夕方から 霙混じりの 雨が降り続いていた。
人影の無い通りに連なる街灯が、雨の筋をオレンジ色に浮かび上がらせている。
その色だけを見れば温かい感じがするが、頬に触れると、とても冷たい。

傘を叩くボツボツいう音を聞きながら、早足で教会へ向かった。


教会の入口に立つ係員さんと挨拶を交わす。
ここでセキュリティ・チェックを受けるのだが、それほど大きな教会ではないからか、このときは鞄の中身を見せるだけの簡単な検査だった。

先日、別の大きな教会へ訪れたときは、金属探知機を使用されたり、コートを脱いでボディチェックを受けるなど、やや大がかりな検査を受けた。
スーパーマーケットなどでも同様で、これが11月13日に起きてしまったテロの後、パリの各施設がとっているセキュリティ体制なのだと認識していた。


クリスマス・イヴ なのに 人が少ない教会内・・・なぜ?


パリ「ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会」のクリスマス・ミサは、まだ人がまばらな状態。
参列者がまばらな教会内

教会内に入ってみると、あまり人がいなかった。

隅っこの席に座ると、ズボンのポケットの中の使い捨てカイロが妙に熱いのに気がついた。
カイロを取り出し、手の指先を温めたり、ちょっと はしたないのだが、靴を脱いで足先に押しあてたりしていると、ややもしてミサが始まった。

顔を上げた私の目に飛び込んできたのは、すぐ傍を歩く 身体の大きな兵士の姿だった。

迷彩服にベレー帽、そして日本の街なかでは 決してナマで見ることのない機関銃。
彼らがとても恰幅よく見えるのは、防弾チョッキを着こんでいるからだ。

非常事態宣言下の今、確かに、街の中で警備にあたっている兵士グループの姿はたくさん見てきた。
しかし、教会の内部という閉ざされた空間の中で、重々しい大型銃を携え警備にあたっている彼らの姿を目の当たりにして、急に恐ろしくなってきた。

――これが、現実なんだ。

今いるこの場所も、あのコンサート・ホール「バタクラン劇場」のように、襲撃されれば同様の大惨事になってしまう。
もしかして、参列者が少ないのも、そういうことを警戒してなのか・・・?

万が一、今ここに、テロリストの襲撃があったら、どうなるのだろう。
あの時 見た TV画面の中の 衝撃的なシーンが脳裏に浮かんだ。

まず隠れる場所は、あの柱の陰か・・・。そこからどう進み、脱出できる場所はあるだろうか。場合によっては死んだふりをすることも必要になるかもしれない・・・などと、完全なる妄想ながら、いろいろな退避パターンを 知らず知らず 考えていた。

当然、日本のニュースでも放送されるだろう。TVを見た家族や親せき、友人たちは 驚くに違いない・・・。
おかしな話だが、一旦恐怖を感じてしまうと、負の妄想は止まらない。。。

私が 他の参列者の方たちと比べて、やや異質だったのだろう。寄ってきた一人の兵士にギロリと睨まれたときには、観光気分で 何の覚悟もなく この場所に訪れたことを、ちょっと後悔した。


いつもの通り、でも ちょっと おめかしして・・・


パリ「ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会」のクリスマス・ミサ(深夜ミサ)に集うたくさんの人たち。
ミサも後半になってくると、たくさんの参列者が・・・

ミサが進むにつれ、参列者がどんどん増えていった。
特徴的なのは、遅れて入って来る ほとんどの人が、家族連れでやってくること。

親と一緒に行動するのを嫌がるような世代の、思春期真っ只中と思しき少年少女も、それが義務でもあるかのように、家族と共にやって来る。
そして、老若男女みな、ちょっとおめかし している。

おそらく、家族での「クリスマス・イヴの食事(Réveillon de Noël)」を終え、そのまま皆で出かけてきたのだろう。
日本で言えば、大晦日の夜に、家族皆で「すき焼き」でも突っつき、そのまま近くの神社に初詣に出かけるような、そんな感覚かもしれない。

ミサが始まった当初に参列者が少なかったのは、家族が集う クリスマスの食事や団らん時間を皆が大切にし、楽しんでいるからだろう。教会へ出向くタイミングが遅くなるのは想像がつく。

フランスでは、クリスマスは家族と過ごす人が多いと聞いていたが、本当にそのようだ。
日本では、「クリスマスは恋人と・・・」てな感じで、宗教に関係なく 妙に盛り上がっているが。。。


その後、ミサは滞りなく進み、無事終了。いつの間にか恐怖心も癒えていた。
途中、讃美歌を歌ったり、神父さんの講和を聞いたり(ほとんど解らないですが・・・)、いろんな儀式をしたり、周りの方々と握手をしたり、言葉を交わしたり。

退出時には、大扉の外で神父さんたちが参列者全員を見送ってくださる。
親し気に握手を交わし、「雨の中、よくいらっしゃいましたね。気をつけてお帰りください。Joyeux Noël !(ジョワイユ・ノエル)」と・・・。

パリ、「ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会」のクリスマス・ミサのあと、参列者を見送る神父さんたち
神父さんたちが親し気に握手をしながら
参列者全員を見送ってくださる



【 行き方 】
・パリ地下鉄(Métro)12号線「ノートル・ダム・ドゥ・ロレット(Notre-Dame de Lorette)」駅、降りてすぐ。
・パリ地下鉄(Métro)7号線「カデ(Cadet)」駅、下車。シャトーダン通り(Rue de Châteaudun)を西に進む。徒歩5分。

【 参考サイト 】
Notre-Dame de Lorette (ノートル・ダム・ドゥ・ロレット教会)
RATP (パリ交通公社)

2017-12-11

歩行者天国は 人も犬も楽しい。 エミリア=ロマーニャ州の中心都市 ボローニャ 【イタリア旅】

イタリア、ボローニャの中心「マッジョーレ広場」でじゃれ合う犬たちとそれを見守る人たち
Piazza Maggiore, Bologna

ボローニャ/エミリア=ロマーニャ/イタリア
Bologna/Emilia-Romagna/ITALIA


前々回の記事のなかで、ボローニャの歩行者天国で、犬たちがワッサワッサとじゃれ合っている様子をよく目にすると書いた。

飼い主さんの中には、互いの犬の相性が良いとみると、ずーっと遊ばせている人が多く、そのため 犬たちの自由度が結構 高いんじゃないかと・・・。

記事を読んで下さった方から、
「(写真の中の)犬がじゃれ合おうとする瞬間の、足に力が入った あの感じが、いいわ~。笑ってしまった」
との お声をいただいたのですが、
思えば、その回の記事では、他の内容の記事も掲載している関係で、犬たちの写真は 1枚のみ。

そこで、今回 改めて、人&犬の様子を捉えた写真を数枚 掲載する。


冒頭写真↑は、まさに犬同士がじゃれ合っている様子。
時間にして10分間くらい、ワサワサ、ガーガー、グフグフとやっている。

真剣な顔つきで、相手に飛びかかったり、乗っかったり、ひっくり返ったり、グルグル回ったり。。。

そのたびにリードが絡まるのだが、飼い主さんたちは嫌な顔一つせず、でも ちょっと苦笑いで、互いの腕を交差させたりしながら、解いている。

2匹の盛り上がりと、飼い主さんたちの寛容な態度を、周りの人たちも楽しそうに眺めている。
私もおそらく、ニヤニヤしている。


子供たちとも 触れ合うことで・・・


ボローニャのインデペンデンツァ通りでじゃれ合うのを止め、今度は子供たちと触れ合う犬たち。
Via dell'Indipendenza, Bologna

ひとしきり じゃれ合った末 それぞれが分かれると、犬たちの顔つきは少し落ち着く。
そこへ、遠巻きに様子を眺めていた子供たちが寄ってくる。


「さわっていい?」
「いいわよ。どうぞ」

犬を通じて 子供は大人とも触れ合い、会話を続けている。
前々回記事にも書いたが、ここでも、その場に漂う空気の「微笑ましい度」がどんどん上がってゆく。

自分のパワーの大きさに対する自覚がない


犬と人の様子を見ていて時々思うことがある。

犬たち、特に大型犬は、成長して大きくなっても、自分が仔犬のままであると思っているのではないか。
大きくなった自分の体格やパワーを、あまり自覚していないのではないか・・・。

時折、大きな犬が 人間に ワッサ と 飛びついている図を見ることがある。
仔犬のときから そうやって愛情を表現してきたのだろうけれど、デッカクなった自分をおそらく自覚していない。

飛びつかれた人間の方は、とても嬉しそうにしながらも、その圧と重さに耐えている。


また、上の写真のようなこともある。

大人しく散歩中だった犬が、別の犬に出会った瞬間、突然 人が変わった・・・いや、犬が変わったように全てを忘れ、グーン‼ と引っ張りパワー全開。
その力は 大人が倒れそうになるくらい。

犬同士に限らず、犬と人間の関係は、見ていて、面白 微笑ましい。



【 行き方 】
・飛行機を利用する場合
 ボローニャ・グリエルモ・マルコーニ空港(Aeroporto di Bologna-Guglielmo Marconi)<別名:ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港(Aeroporto di Bologna-Borgo Panigale)>まで、パリ、フランクフルト、ロンドンなど各国から便が出ている。
また、ミラノ、ローマなど国内線も発着している。
・鉄道を利用する場合
 ミラノから FRECCIAROSSA や FRECCIARGENTO を利用して、およそ1時間。
 ローマからも同様におよそ2時間15分。

【主な見どころ】
・Fontana del Nettuno e Piazza Maggiore (ネプチューンの噴水 と マッジョーレ広場)
・Torre Asinelli e Torre Garisenda (アジネッリの塔 と ガリセンダの塔)
・Palazzo dell'Archiginnasio (旧ボローニャ大学)
・Basilica di Santo Stefano (サント・ステファノ聖堂)
・Basilica di San Domenico (サン・ドメニコ聖堂)
他多数

【 参考サイト 】
Aerobus (ボローニャ空港から市内へのシャトルバス)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

2017-12-01

夜の街散策も楽しみたい。美しさが増す 夕暮れのボローニャ 【イタリア旅】

イタリア、ボローニャの町なかにあるタバコ屋バールで寛ぐ老夫婦

ボローニャ/エミリア=ロマーニャ/イタリア
Bologna/Emilia-Romagna/ITALIA


以前もどこかの記事で書いたが、イタリアの街は夜が美しい。

特別な建物でなくとも、趣きや歴史を感じさせてくれたり、それ自体が美術品とも思えるような素晴らしい装飾を持つ建造物であったり、それらが 美しくライトアップされる。

暗い中、いい~感じで照明を浴びているので、
まるで 建物自体を展示物とした 大きな「美術館」の中にいるよう。

もちろん昼間も、街の美しさに変わりはない。
が、日の高いうちは ある種の「汚さ」も目立ってしまうのだ。

イタリアやフランスを旅したことがある方はご存知だろうが、都会では特に、散乱したゴミや 落書きなどの汚れが、私たち日本人から見て「度を越している」場合がある。

中には、落書き自体が「芸術作品」のように仕上がっているものもあり、それには感服するのだが、悪意の見えるものや、品の無いもの、無茶苦茶なものもあり、それらは街の美しさを台無しにしてしまう。

イタリア、ボローニャの中心にあるネプチューンの噴水とマッジョーレ広場
Fontana del Nettuno

夜は 街並みの美しさが 強調される


イタリアの夜は、しっとりしたオレンジ色や 黄色の灯りが 仄かに街を照らす。
日本の夜の街の明るさに慣れた身からすれば「ちょっと暗い」と感じる。

だが、この暗さが、イタリアの街並みに、ちょうどいい。

余計なものは照らさない。
街や人間活動の、美しい部分が 静かに強調される。

旅をしていれば、街の散策は、もちろん昼間が中心になってしまうが、
賑々しい街の喧噪や、現実社会の色々なことに疲れてしまった時には、おだやかな夜の街を歩いてみるとよい。

少し・・・夢へと 揺り戻してくれる。

赤い灯りのリストランテが際立つ、イタリア、ボローニャの夜の街。

ただし 安全面に気をつけて


夜の散策のすすめ を書いてきたが、ご承知のように、夜は昼間に比べ危険度が増す。

よく言われることだが、
・暗い道、人通りの少ない道は避ける。
・女性の一人歩きはダメ。
・怪しい店、場所、人には近づかない。

などを守った上で、美しい「夜の街散策」を楽しみたい。

夜空に浮かぶボローニャの斜塔を工事中の路上から望む
ここは現在工事中の現場。
昼は人や重機がごった返し、埃っぽく雑然としているけれど、
夜は整然としていて美しい。


【 行き方 】
・飛行機を利用する場合
 ボローニャ・グリエルモ・マルコーニ空港(Aeroporto di Bologna-Guglielmo Marconi)<別名:ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港(Aeroporto di Bologna-Borgo Panigale)>まで、パリ、フランクフルト、ロンドンなど各国から便が出ている。
また、ミラノ、ローマなど国内線も発着している。
・鉄道を利用する場合
 ミラノから FRECCIAROSSA や FRECCIARGENTO を利用して、およそ1時間。
 ローマからも同様におよそ2時間15分。

【主な見どころ】
・Fontana del Nettuno e Piazza Maggiore (ネプチューンの噴水 と マッジョーレ広場)
・Torre Asinelli e Torre Garisenda (アジネッリの塔 と ガリセンダの塔)
・Palazzo dell'Archiginnasio (旧ボローニャ大学)
・Basilica di Santo Stefano (サント・ステファノ聖堂)
・Basilica di San Domenico (サン・ドメニコ聖堂)
他多数

【 参考サイト 】
Aerobus (ボローニャ空港から市内へのシャトルバス)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

2017-11-21

犬たちがワッサワッサとじゃれ合っている。大きな町だが 散策はしやすい/ボローニャ 【イタリア旅】

ボローニャのレ・エンツォ広場で大道芸のドラム演奏を観る人たち
歩行者天国の一角で ドラムのソロ演奏をする青年と 聞き入る人々
Piazza Re Enzo, Bologna 

ボローニャ/エミリア=ロマーニャ/イタリア
Bologna/Emilia-Romagna/ITALIA


ボローニャは ちょっとごみごみしたところもある都会なのだが、散策はしやすい。
もちろん、だからといって、完全に気を抜いた ゆるゆる状態で歩いてはいけない。
前回記事にも書いたが、特に 大きめの町を散策する際は、景色を楽しみながらも、スリや置き引きなどに 気を付けて行動することが大切だ。

散策がしやすい理由は、これはイタリアの多くの町で言えることだが、街の中心部への車両侵入が規制されていることによる。

道に車がいないだけで、つまり交通事故の不安が解消されただけで、人はこれほど自由闊達になるのか、と思うくらいである。
裏を返せば それだけ、普段 人は車に対し気を張った状態でいるということ。

日本でも、銀座などで歩行者天国が施行されると、街の様子が一変する。
どう変わるかは、すぐに理解いただけると思うが、もしかしたら「街の様子」というより、「人々の様子」が変わると言ってもいいのかもしれない。

極端に言えば、そこにいる人たちの「心の持ちよう」が変わるのだろう。
安心感というか、開放感というか・・・。顔つきまで変わるような気もする。

「歩行者『天国』」とは、よく言ったものである。


犬の自由度も高い


ボローニャのインディペンデンツア通りで犬の散歩をする人たち
Via dell'Indipendenza, Bologna

そんな歩行者天国では、犬を散歩させている人たちに数多く出会う。
車が来ない安心感もあるのか、結構自由に、そして長時間、はしゃがせている。

散歩の途中に他の犬と出会い、犬同士がじゃれ合ってしまうことがあるが、
「やめなさい。ほら、行くよ!」とすぐにリードを引っ張り、散歩に戻るのが一般的セオリーと思っていた。

しかし ここでは、犬同士の相性が良いと見るや、ずーっと遊ばせておく飼い主さんたちをよく見る。

「ずーっと」と書いたが、本当にずーっと。
お互いのリードが絡まって、何度も何度も相手の飼い主さんとの間で上を通したり下を通したり・・・。
犬たちはそんな主(あるじ)の苦労は露とも知らず、ワッサワッサと必死にじゃれ合っている。

その愛らしい様子を、通行人が立ち止まって眺めていたり、飼い主さんと話し込んだり、別の犬が乱入したり。
見学者を含め、その場に漂う空気の「微笑ましい度」がどんどん高くなってゆく。


中に入ってみてわかる その建物の大きさ


ボローニャのメトロポリターナ・ディ・サン・ピエトロ聖堂内部
Cattedrale Metropolitana di San Pietro, Bologna

インディペンデンツア通り(Via dell'Indipendenza)で、私と一緒に犬のじゃれ合う姿を見ていた老夫婦が、しばらくして 近くの教会らしき建物に入っていくのが見えた。

こんなところに教会があるのか・・・。私も訪ねてみる。
中に入って驚いた。中は 想像していたより、はるかに広大なのだ。

広場のすぐ横に建つ教会など、グッと引いて 全体像を眺めることができる建物は、外からその大きさや凄さなどを感じとることができる。

それに対し、道沿いにある建物の場合、特にボローニャのような古い街などでは、周りにもたくさんの建物が密集し、道も細く 入り組んでいたりして、建物全体の姿を外から把握することができない。
そのため、入ってみて その大きさに 驚くことがある。

地図を確認してみれば、その広大さがはっきりする。
サン・ピエトロ大聖堂(Cattedrale Metropolitana di San Pietro)―― インディペンデンツア通りに面したその建物は、周辺の建物の区画より ずいぶんと大きい。

外と比べ、中は 落ち着いた雰囲気で 静かだし、
しばらく ここで 寛ぐとするか。。。


【 行き方 】
・飛行機を利用する場合
 ボローニャ・グリエルモ・マルコーニ空港(Aeroporto di Bologna-Guglielmo Marconi)<別名:ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港(Aeroporto di Bologna-Borgo Panigale)>まで、パリ、フランクフルト、ロンドンなど各国から便が出ている。
また、ミラノ、ローマなど国内線も発着している。
・鉄道を利用する場合
 ミラノから FRECCIAROSSA や FRECCIARGENTO を利用して、およそ1時間。
 ローマからも同様におよそ2時間15分。

【主な見どころ】
・Fontana del Nettuno e Piazza Maggiore (ネプチューンの噴水 と マッジョーレ広場)
・Torre Asinelli e Torre Garisenda (アジネッリの塔 と ガリセンダの塔)
・Palazzo dell'Archiginnasio (旧ボローニャ大学)
・Basilica di Santo Stefano (サント・ステファノ聖堂)
・Basilica di San Domenico (サン・ドメニコ聖堂)
他多数

【 参考サイト 】
Aerobus (ボローニャ空港から市内へのシャトルバス)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

2017-11-11

イベント事は楽しい。でも、大きな町ではスリや置き引きにご用心/ボローニャ 【イタリア旅】

イタリアはボローニャ、マッジョーレ広場に抜けるクラヴァトゥレ通り

ボローニャ/エミリア=ロマーニャ/イタリア
Bologna/Emilia-Romagna/ITALIA

今は 暗く細い道を 歩いていても
その先に 広場がある
広場は更に たくさんの
道(未知)と 繋がっている


ボローニャの名を聞いて、すぐにスパゲッティの「ボロネーゼ」を思い出す方もいるのでは。。。

ミートソースのボロネーゼは、ここが発祥の地。
しかし、美味いモノはそれだけでなく、ラザニアやトルテッリーニ、コトレッタ(ボローニャ風)、それに、近郊の町モデナのバルサミコ酢や、パルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノと様々。

そんなふうにボローニャは、雑誌やガイドブックに必ずと言ってよいほど「美食の町」として紹介されている。
食いしん坊には、「外せない町」と言ってよい。

特に 大きな町では 注意を!


エミリア=ロマーニャ州の州都ということもあり、街はかなり大きい。

ある程度大きく古い街はどこもそうだが、車で入るとなかなか大変だ。
一方通行は多い。道はややこしい。車は多い。人も多い。街は広い。駐車場(出入口や区画)は狭い。。。

街に暮らす人の数も多いが、歴史ある美しい街であるため、観光客も多い。
すると当然、観光客をつけ狙うスリなどもいる。

ここにマイナスの情報はあまり載せたくないのだけれど、実はこの街でスリに出くわした。


ボローニャに到着してすぐのこと。
街の中心に向かって歩く私に、中年の男性が急にピタッとくっつき、チラシのようなものを見せながら何かを訴えてくる。

「何だこの人は。いったい何を言いたいのか。。。」
私が、顔で思いっきり「?」を作りながら呆気に取られていると、彼はチラシの下で手を伸ばし、私の鞄をまさぐっていた。

すぐに気づいたので被害はなかったものの、やはり嫌~な気分になる。

パリやローマなど、大きな町ではよくある話なので、何を今さら、と思われる方もいるかもしれないが、それまで訪れていた小さく平和な町に慣れてしまい、気持ちが緩んでいたのだろう。
大いに反省した。

ここはボローニャ。スリがいるくらい大きな町なのだ。

面白いモノ、楽しいコトもたくさんある


もちろん 面白いモノ、楽しいコトもたくさんある。

街の北方、8月8日広場(Piazza dell'8 Agosto)で何やら楽しそうなことをやっているので見に行った。

何のイベントかは詳しくはわからなかったが、スィニョーレ・スィニョーリが中世のころの衣装を着て、地元客や観光客相手に色々なパフォーマンスを見せている。

ボローニャの8月8日広場で行われていた中世の文化を紹介するイベントの様子
Piazza dell'8 Agosto

写真右のオジサンは、「ほれ、昔はこうやって硬貨を作ってたんだぜ」
鉄や銅でできた 真っさらの丸い板を筒に入れ、そこに刻印を入れる為の凸版付きの棒を差し込み、上から思いっきりハンマーで「カン‼」と叩く。

すると、のっぺらぼうだった丸い板が、硬貨として出来上がるといった寸法だ。

「どうだい。コレ、土産に持って行きな。ま、そこのスーパーで買い物もできないけどな。ハハ!」
「・・・あ、ありがとうございます」

写真左のオジサンは、「昔はな、機械なんか使わず、皆こうやって、手で、、、あれ? こうやって手で、、、あら? 手で、、、手で、、、手で、、、 まぁ、こんなふうに、昔の人は大変だったんだ」

そんな中、後ろの女性たちは、止めどなく、ずーっと ずぅ~~っと お喋りしながら、刺繍をしています。

ね。楽しそうでしょ。


【 行き方 】
・飛行機を利用する場合
 ボローニャ・グリエルモ・マルコーニ空港(Aeroporto di Bologna-Guglielmo Marconi)<別名:ボローニャ・ボルゴ・パニガーレ空港(Aeroporto di Bologna-Borgo Panigale)>まで、パリ、フランクフルト、ロンドンなど各国から便が出ている。
また、ミラノ、ローマなど国内線も発着している。
・鉄道を利用する場合
 ミラノから FRECCIAROSSA や FRECCIARGENTO を利用して、およそ1時間。
 ローマからも同様におよそ2時間15分。

【主な見どころ】
・Fontana del Nettuno e Piazza Maggiore (ネプチューンの噴水 と マッジョーレ広場)
・Torre Asinelli e Torre Garisenda (アジネッリの塔 と ガリセンダの塔)
・Palazzo dell'Archiginnasio (旧ボローニャ大学)
・Basilica di Santo Stefano (サント・ステファノ聖堂)
・Basilica di San Domenico (サン・ドメニコ聖堂)
他多数

【 参考サイト 】
Aerobus (ボローニャ空港から市内へのシャトルバス)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

2017-11-01

プツリ途中で切れていた「サント=マリー=ドゥ=ラ=メール」への道 ②(フランス式公共サービスの作法) 【フランス旅】

エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>にある BAC DU SAUVAGE の説明看板

サント=マリー=ドゥ=ラ=メール/プロヴァンス=アルプ=コート・ダズュール/フランス
Saintes-Maries-de-la-Mer/Provence-Alpes-Côte d'Azur/FRANCE


前回記事で、エグ=モルト(Aigues-Mortes)からサント=マリー=ドゥ=ラ=メールへ向かう道程で急に渋滞が発生し、原因が前方にある川であることを書いた。

そして、すぐに渋滞が解消しないことがわかると、イライラすることもなく、各々が好きなように のんびり過ごす人々の様子が とてもいいと・・・。

今回は、その つづき。


川の手前に信号と遮断機があった。
遮断機の横にある看板(冒頭写真)には こうかかれている。

BAC DU SAUVAGE (大自然の渡し舟)
渡り料金 無料

サービス時間帯
4月 から 9月:6時~12時/13時30分~20時
10月から3月:6時30分~12時/13時30分~19時
30分毎

なるほど、そういうことか。

場合によっては、来た道を戻り、違う道を使ってサント=マリー=ドゥ=ラ=メールへ行くことも考えたが、いやいや、このまま行くのも面白い。
渡し舟が動くのを 待ってみよう。。。

川岸で20分ほど待っていると、にわかに辺りがザワザワしだした。
車外に出てのんびりしていた人たちが、パラパラと車に戻ってゆく。
もうすぐ舟が動くのだ。

私も車に戻り、エンジンをかけた。
車列がゆっくり動き出す。ああ、やっとだ。嬉しい。。。と思いながらノロノロ車を走らせていると、また車列が止まった。

そのうち動き出すものと、ハンドルを握ったまま待っているが、やはり一向に動かない。
前方に並んでいる車から、先ほどのように人々が降りはじめた。
結果、車列は数十メートル進んだだけだ。

カマルグ自然公園内にある渡し舟 BAC DU SAUVAGE
お昼を除き30分毎に1往復する渡し舟「BAC DU SAUVAGE(大自然の渡し舟)」

ここはフランス、日本ではない


渡し舟は決められた時間に、きちんと仕事をした。
しかし結果的に、私は対岸に渡ることはできなかった。

というのも、舟は30分に1度、1往復するだけなのだ。
しかも舟は、それほど大きくはない。

車、バイク、自転車、人、そして、この場所が カマルグ自然公園(Parc naturel régional de Camargue)の中ということもあって馬などを乗船させるのだが、当然、一度に乗せられる数や量は限られている。

人や自転車は場所を取らないので、後から来てもすぐに乗れる場合があるが、車はそういうわけにいかない。
30分に1度の1往復に、先着の数台だけが乗船できるというわけだ。

私としては、こんなにも車(お客様)が並んで待っているのだから、その時間になったら舟は何度か往復してくれて、とりあえずは そこにいる 全ての車を対岸へ運んでくれるんじゃないかなぁ・・・と考えていた。
川幅も100mほどと 広くないので、時間もそれほど必要としない。

それが甘かった。
ここはフランス、日本ではない。

お客さんが待っていようと、彼らは決められた仕事だけをきちんとする。

客は、サービス提供者側が決めたルールに従うのが当然で、働いている人からすれば、自分は客と対等の立場、もしくは、この場を任されている上の立場と認識しているのだろう。

場合によっては、舟の担当者が 何往復かしてくれることもあるかもしれない。
それについてもサービス提供者側が決定権を持って主導し、客はそれに従うしかないということだ。

今の日本では おそらく、この対応はできない。
待っている人がいるのだから、もう数往復するように要求されるだろうし、それを拒めばクレームになる。

いや、反対に、もともとのサービスとして何往復もしているかもしれない。そして、常にお客様をお待たせしないよう 最大の配慮と システム構築をするに違いない。(これはある意味、素晴らしいことでもある。)

更に、細かいクレームも出ないように細心の注意を払い、例えば・・・「今朝ほどの渡し舟では、乗船する馬の数が多かった関係で5分ほど遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした」みたいなことまで、アナウンスするんじゃないだろうか。

いやいや、それどころか 既に公共工事によって、この辺鄙な場所、大自然の中に、通行料2,160円くらいの、立派な橋を架けてしまっているかもしれない。。。

カマルグ自然公園内にある渡し舟 BAC DU SAUVAGE の船上の様子
およそ1時間待って、やっと乗船された皆さん。誰一人文句は言いません。

・・・ということで、渋滞の先頭にいた数台の車が舟で対岸へ渡り、残りは次の、もしくは次の次の、更にはその次の運行まで待つことになる。

結局私は、次の運航時に乗船することができた。

その舟にかろうじて乗れたことは、運が良かったのかどうかはわからないが、私は目的地である サント=マリー=ド=ラ=メールまで あと少しのところで、およそ1時間 足止めを食ったことになる。

この時間をロスと考えるか、、、
いや、一緒に舟に乗っている皆さんも楽しそうにしているように、旅のよい思い出の一つになった、と言えるだろう。

※私がここを訪れたのは2013年のことです。現在は様子が変わっているかもしれません。



【行き方】
・エグ=モルトから車で 約30分(およそ25㎞)
サント=マリー=ドゥ=ラ=メールから車で 約10分

【主な見どころ】
Bac du Sauvage(大自然の渡し舟)
・Parc naturel régional de Camargue(カマルグ自然公園)
 近隣で、白馬やフラミンゴを見られる場合があります。

【参考サイト】
BACS(いろいろな渡し舟を掲載したページ)
Parc naturel régional de Camargue(カマルグ自然公園)
Office de Tourisme "Saintes-Maries-de-la-Mer"サント=マリー=ドゥ=ラ=メール観光局

2017-10-21

プツリ途中で切れていた「サント=マリー=ドゥ=ラ=メール」への道 ①(フランスの田舎式渋滞対処法) 【フランス旅】


エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>に立っている変わった道路標識
エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>

サント=マリー=ドゥ=ラ=メール/プロヴァンス=アルプ=コート・ダズュール/フランス
Saintes-Maries-de-la-Mer/Provence-Alpes-Côte d'Azur/FRANCE


宿をとっていた エグ=モルト(Aigues-Mortes)の町を出発し、サント=マリー=ドゥ=ラ=メールへ向かうため、車で県道D85を南下していた。

道は幾つかあるのだが、この道が一番近そうだ ――。そう思いながら、対向車の来ない湿地帯を気持ちよく飛ばしていた。

あと数キロで着くんじゃないかなぁ。。。
まだ街の気配はないものの、走行時間を鑑みて、そんなことを考えていると、不思議な標識に出くわした。(冒頭写真)

青い標識は、一瞬、口ひげをたくわえ 帽子を被ったオジサンの顔か クワガタのように見えたのだが、よく見ればそれは船である。
そして下の赤い警告標識は、あな恐ろしや 自動車が水面に転落する図である。

かつて、ペイ・ドゥ・ラ・ロワール(Pays de la Loire)にある、ノワールムーティエ島(Île de Noirmoutier)を訪れた際、車両水没を描いた標識を見たことがあるが、あれと同じくらい恐ろしい警告だ。

エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>で渋滞した車の列

突然の渋滞。その原因は・・・


標識の横を通り過ぎると、ほどなく渋滞が始まった。と言うより、車は全く前に進まなくなった。

状況が呑み込めず しばらく待ってみるが、車列は一向に進む気配を見せない。
そのうち 一台の車から男性が降り、歩いて前方の様子を見に行った。

しびれを切らせた 別の人々が それを見て車を降り、前方を伺っている。
そして戻ってきた男性に、この先の様子を聞いている。

彼から話を聞いた人たちは、それぞれに色々な表情を全身に浮かべ パラパラと車に戻る。
私の車(写真右)の前方に停まっている車を運転していたムッスュが、親切にも私に状況を説明しに来てくれた。

「この先に川がある。渡るには船に乗る必要がある。ただ、船がなぁ・・・」
ニコニコ笑いながら言う。

船に乗る必要がある、というところまでは解ったのだが、その後の説明について、私は理解できなかった。

ということで私も車を降り、歩いて渋滞の先頭の様子を見に行ってみることにした。
車列が進む気配はないし、しばらく車を空っぽにしても 問題なさそうだ。

渋滞のために車を離れ ピクニックを始めた家族連れの様子
車を離れ ピクニックを始めた家族連れが 写真右隅に写っている

意図せず出来てしまった 空き時間の過ごし方


並んだ車に乗っている人たちの姿を見ながら前方へと向かう。
彼らの様子を見て、ずいぶん待たされることになるだろう、というのが よくわかった。

シートを倒して眠る人、読書を始める人、同乗者全員で車を降り 車にもたれながら寛ぐ人たち、洗車を始める人がいたのには、さすがに驚いた。

渋滞の先頭は確かに川だった。
そして、そこには遮断機と赤信号があった。(↑写真)

信号の先、遮断機の横に、何やら看板がある。(↓写真)
看板の近くでは、車から降りてきた家族連れがピクニックをしている。(↑写真)

「渋滞は嫌なもの」と、そんな概念が 私の頭にこびりついていたのだが、
意図せず出来てしまった空き時間を、皆それぞれが、好きなように、のんびり、自由に過ごしている姿が、なんだか「いいな」と思った。 < つづく >

エグ=モルト から サント=マリー=ドゥ=ラ=メール へ向かう県道<D85>にある BAC DU SAUVAGE の説明看板



【行き方】
・エグ=モルトから車で 約30分(およそ25㎞)
サント=マリー=ドゥ=ラ=メールから車で 約10分

【主な見どころ】
Bac du Sauvage(大自然の渡し舟)
・Parc naturel régional de Camargue(カマルグ自然公園)
 近隣で、白馬やフラミンゴを見られる場合があります。

【参考サイト】
BACS(いろいろな渡し舟を掲載したページ)
Parc naturel régional de Camargue(カマルグ自然公園)
Office de Tourisme "Saintes-Maries-de-la-Mer"サント=マリー=ドゥ=ラ=メール観光局

2017-10-11

中世の時代に思いを馳せて歩いてみる。塔が立ち並ぶトスカーナの田舎町「サン・ジミニャーノ」 【イタリア旅】

イタリア・トスカーナの町サン・ジミニャーノの路地で犬の散歩をする女性

サン・ジミニャーノ/トスカーナ/イタリア
San-Gimignano/Toscana/ITALIA

真っすぐ進む それもOK
ちょいと寄り道 それもOK


サン・ジミニャーノは 塔の町 として有名だ。
町を遠景で眺めると、一番高いグロッサの塔(Torre Grossa)を中心に、10数本の塔がニョキニョキ建っているのが見られる。(下部写真参照)

そして、この遠景こそが、サン・ジミニャーノらしさの 象徴と言える。
観光案内や、お土産、色々な所に使われているマークなど、様々な場所に この「町の遠景」を象ったデザインが使われている。


ご存じかもしれないが、イタリアには 塔のある町がたくさんある。
そして、これらの塔はその昔、もっともっとたくさん建っていたらしいのだ。

例えばフィレンツェ(Firenze)では13世紀ころまで、およそ160本の塔が建っていたという。
しかし、21世紀となった今、ミケランジェロの丘(Piazzale Michelangelo)などからフィレンツェの景色を眺めても、町全体を写した写真などを見てみても、それほどの数は見当たらない。

もともと塔は、財力や権力を誇示するために建てられていた。
時代が移り、その必要がなくなったことや、老朽化で危険が伴うことなど、様々な事情で、壊されていったのだろう。

小さな町であるサン・ジミニャーノには、当時、72本の塔があったらしい。
しかし、やはりそのほとんどが現存していない。

それでも、72本のうちの14本が残っており、他の町に比べれば現存率が高く、これが現代において「塔の町」と言われる所以なのだ。

トスカーナの田舎町「サン・ジミニャーノ」の遠景
サン・ジミニャーノ遠景

中世の頃の繁栄を想像しながら歩く


塔の現存率が高いと言ったが、計算してみると、1割9分4厘。
野球の打者としては失格になる率である。

逆に言えば、中世と言われる時代、この小さな町に現在の5倍以上の塔があったことになる。

写真を観ながら、そこにある塔のシルエットを、5倍+αにして重ねてイメージしていただきたい。

スゴイ・・・が、異様でもある。

その様子は「中世のマンハッタン」とも言われると、いろいろなところで目にするが、
だとすれば、その繁栄ぶりは凄まじかったのだろうと、街を散策しながら、その昔に思いを馳せてみるのも一興だ。

町はそれほど大きくはない。
したがって、見どころもそれほど多くはない。

代表的な塔である「グロッサの塔」に登り、車などの運転の必要がなければ 名物の白ワインをエノテカなどで楽しむ。
そして、私は行ったことはないが、とても美味しいジェラテリアもあると聞く。

あとは ブラブラ歩いてみるのが 好いのではないかと思う。
街はどこも美しい。ガイドブックなどに紹介されていない、自分だけの素敵な光景に出会うかもしれないから。。。(頁Top写真参照)




【 行き方 】
・バス利用の場合(要 乗換1回):フィレンツェ→ポッジポンズィ→サン・ジミニャーノ(およそ1時間30分)
・フィレンツェから、レンタカーでおよそ1時間(約50㎞)

【主な見どころ】
・Piazza del Duomo (ドゥオーモ広場)
・Piazza della Cisterna (チステルナ広場)
・Torre Grossa (グロッサの塔)
・Porta San Giobvanni (サン・ジョバンニ門)
・Via San Giovanni (サン・ジョバンニ通り)
他、街歩きや、街はずれから見る町の眺め(遠景)も、見どころの一つです。

【 参考サイト 】
tiemme Toscana mobilità (トスカーナ、バス時刻表検索)
Comune di San Gimignano (サン・ジミニャーノ 町のHP)
街の地図/Associazione Pro Loco (サン・ジミニャーノ観光ページ)

2017-10-01

ルルドの蝋燭行列(La Procession Mariale)に参加して 平和~な気分に 【フランス旅】

カトリックの聖地ルルドの蝋燭行列の様子。聖母マリアの像を先頭に多くの方が蝋燭を持って歩いている。
蝋燭行列の様子。聖母マリアの像を先頭に多くの方が蝋燭を手に歩いている。

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE

何をしたつもりもない
それでも 誰かの心に 小さく 火が灯ったら
それは とっても 幸せなこと


旅行でこのあたりに訪れることがあるなら、ルルドに宿をとって、蝋燭行列
(La Procession Mariale)に参加、もしくは見学するのがいい。

聖母マリアの像を先頭に、蝋燭を持った大勢の人たちが列をなし、サンクチュアリ内を歩く。
静かに、ゆっくりと・・・。

私は、少し高くなっている カテドラルのテラスから、行列を眺めていた。
冒頭写真の眺めが それだ。

徐々に陽が暮れてゆき、行列は 金色の粒を纏った 光の帯となってゆく。

行列の側から、私たちがいるカテドラルの方を眺めても、きっと美しいだろう。
私たちの背後に陽が沈み、まさに今、夕焼けから夕闇へと 空がドラマチックに移ろいでいる。
(※2017年8月11日の記事 の写真をご参照ください。)

隣で同じように行列を眺めていた女性が、私に声をかけてきた。
「火をどうぞ」(たぶん)英語だった。
「Thank you」私は 彼女が差し出してくれた蝋燭の火に 自分の蝋燭を近づけ、火をもらった。
そして、反対隣りで行列を眺めていたカップルに、自分の蝋燭を差し出した。
何と言ってよいのかわからなかったので、無言で。でも顔の表情で言葉を作って。

「Merci」そう言って 火を受け取った彼らも、すぐまた隣の人へと 火を繋いだ。

行列のあと、そのままミサが始まる


ルルドの蝋燭行列のあと、カテドラル前の広場で行われる大規模なミサ
蝋燭を持った大勢のミサ参加者が、広場にも、カテドラルのテラスにも。

人々がカテドラル前の広場に集まり行列が終わると、そのままミサが始まる。

蝋燭行列の謂われや、ミサの中で行われる所作、語られる言葉の意味は、私にはよくわからない。
それでも、とにかくそこにいて、耳を傾けたり、動きを真似ていると、厳粛で平和~な気分になってくる。

その平和~な気分も、自分の中の平和というより、自分の外の平和というか、全体の平和というか・・・、うまく言えないのだけれど、広く大きな、大きいけれど決して強引ではない、そんな「力」を感じる。

例えば・・・火は、大きな炎となれば威圧感を持つけれど、その火を小さいまま皆に行きわたらせれば、エネルギーとしての総量が同じだとしても、大きな炎に比べ、美しく感じたり、恐怖心が湧かなかったり、「熱い」ではなく「温かい」だったり、なにか そんな感じ、かな。。。

ミサに参加しながら、時折、周囲を見渡すなどして、客観的にその全体を感じてみる。
コンサート会場で、一旦、演者から目を逸らせ、観客席を見渡してみるような、それに似た感覚。
多くの人の思いが、小さな蝋燭の火となって、ここに集結し無数に煌く様子は、筆舌しがたい。


ミサは、周囲にいる 初めて会った 見知らぬ人たちと 握手をし合って 終わる。

私も 近くにいた人たち(アフリカからの方が多かったなぁ)と握手をしたり、ビズ(bise)をしたりし、「おやすみ」とか「よい旅を続けてね」など、簡単な言葉を交わしながら、人々の流れに乗って サンクチュアリをあとにした。



【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

2017-09-21

カトリックの聖地「ルルド」の夜/穏やかな、幸せそうな表情で人々が集う 【フランス旅】

カトリックの聖地ルルドの奇跡の泉が湧く洞窟内部から見た様子
Grotte de Massabielle

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE


ルルドのサンクチュアリ(聖域)には、夜になってもたくさんの人が訪れている。

冒頭の写真は、8月21日の記事にも登場した、奇跡の泉が湧き出るマッサビエル洞窟(Grotte de Massabielle)の内部から外を眺めた様子。

たくさんの人たちが祈りを捧げている。

長い列に並んで、洞窟の中の 泉のそばに 立ち入ることができるのだが、このとき 私は、洞窟の外の 祈りを捧げる人たちの姿や、その空間に漂う荘厳な雰囲気に圧倒され、肝心なことを忘れていた。

ルルドの泉が 洞窟の中で どんな風に湧いているのか、その様子を見逃してしまったのだ。
ああ・・・。

奇跡を起こす「ルルドの泉」のいわれ


その ルルドの泉だが、
聖母マリアの姿を何度も目撃した少女に、マリアが伝えた場所から湧き出たと伝わっている。

要約すると――

1858年2月11日。14歳の貧しい少女ベルナデット(Bernadette)がマッサビエル洞窟の近くで薪拾いをしているとき、聖母マリアの姿を見る。
その後、18度にわたり彼女は聖母出現を目にすることになるのだが、その9回目、マリアから 泉の湧く場所 を告げられ、「泉の水を飲みなさい。泉の水で洗いなさい」と言われる。
お告げのあった場所を ベルナデットが探ると、マリアの言葉通り 泉が湧き、その水で 病気を患った人が患部を洗ったり、飲んだりすると、病が癒える奇跡が起こった。

――ということらしい。

聖母マリアが現れたと言われる、ルルドの奇跡の洞窟で祈りを捧げる人々
ルルドの泉が湧き出るマッサビエル洞窟
聖母マリアが現れたと言われるこの場所で大勢の人が祈りを捧げている

ところで、少女ベルナデットが聖母マリアを見たとき、一緒にいた他の人たちにマリアの姿は見えなかったらしい。

つまり、通常 見えないものが、彼女には見えたということになる。

見えないものが見えてしまう。これはある意味怖いこと。
しかし、彼女にそんな感情は生まれなかったのではないか。むしろ、とても幸せな気持ちになったのだろう。

というのも、、、
今ここに集う人たちの表情が、とても穏やかで 幸せそうなのだ。

そんな中、一日を締めくくる蝋燭行列(La Procession Mariale)が動き出す。



【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

2017-09-11

日本の お盆のお墓参りを思い出す/オクシタニー地域圏・ルルドのサンクチュアリ(聖域)にて 【フランス旅】

カトリックの聖地、フランスはルルドのサンクチュアリ内で蝋燭の整備をする係員の写真
並べられた大きな蝋燭の世話をする係員さん

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE


沐浴施設の隣にある、蝋燭がたくさん並ぶエリアを歩いた。(8月21日の記事からの続きです。)通路の両側に小屋がいくつも並んでいる。

一見すると日本のお祭りなどで見る屋台の並びのようだが、もちろん それは リンゴ飴 や 綿飴 を売ったりするお店でも、金魚すくいなどをする屋台でもなく、全ての小屋が丸ごと「燭台」になっている。

人々が、順々に蝋燭を手向け、祈りを捧げて行く。

蝋燭は、長さ30㎝くらいの白く細長いシンプルなものから、人の背丈ほどある、大きくカラフルなものまである。

大きな蝋燭には 文字が書かれていたり、美しい装飾がされているものもあるので、何らかの願いが込められていたり、何かに捧げる祈りを表しているのだろうが、私には よくわからない。

いろいろな町の教会を訪れたときなど、固形燃料(旅館で鍋を温めるとき等に使うあれです。)みたいな形の小さな蝋燭に火を灯し、薄暗い教会内で祈りを捧げて行く人を見ることはよくあるが、屋外でのこういう光景は、あまり 目にすることが無い。

カトリックの聖地ルルドの聖域内で蝋燭を手向ける人々の写真

8月の強い陽射しの下、蝋燭を手向け 祈りを捧げて行く人々の姿は、日本での お盆のお墓参りを 私に思い出させた。

もちろんここはお墓ではないので、祈りを捧げている皆さんは、ご先祖様と会話をしているわけではない。
全くの想像だが、世界の平和や、大切な人の健康、幸せなどを祈っているのだと思う。

蝋燭を手向ける人の心の持ちようは、その信仰や、洋の東西で全く異なるのだろうが、どちらにしても この雰囲気は、人の心を穏やかにしてくれる。

ルルドは普通の小さな町でもある


カトリックの聖地として、年間に500万人を超える人が世界中から訪れると言われるルルドだが、その訪問者の多くは巡礼の方々で、サンクチュアリ(聖域)への訪問を目的にやって来る。

そのため、ルルドの話をしようとすれば、当然サンクチュアリのことがメインになってしまい、特別な場所として紹介してしまいがち。

町の構成にしても、中心はサンクチュアリであり、門前町のように 多くのホテルが周辺に建ち、参道に沿って土産物屋や飲食店が並び、そして住宅街が広がる。

カトリックの聖地として特別視されがちな町だが、住宅街は 他の町と何ら変わらない。

メリー(mairie/役場)があり、教会があり、床屋も 雑貨屋もあり、クリーニング屋も 電気屋も、携帯ショップも 映画館も、そして、もちろんマルシェ(marché/市場)もある。

マルシェがある! と聞くと行きたくなってしまう私は、翌朝さっそく出かけてみた。

フランス、オクシタニー地域圏、ルルドのマルシェ
Place du Champ Commun, Lourdes

時間が早かったのか、お客さんの姿は まだ少ない。
人の好さそうなムッスュに声をかけてみる。「すみません。ちょっと写真を撮らせてもらっていいですか?」
「Bien sûr!(もちろん!)どんどん撮れ。んだけど、別に珍しいもんは売ってないぞ。ガハハ」
「あ、ありがとうございます。。。」

当たり前だが、他の町のマルシェとなんら変わらない。
ルルドは普通の町でもある。

フランス南西部、カトリックの聖地ルルドのマルシェ
Place du Champ Commun, Lourdes


【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

2017-09-01

ゲリラ や テロ や テロリスト、そんな言葉はできるだけ使いたくないのですが・・・ゲリラ豪雨と夕陽のミスマッチな光景

東京の街なかで遭遇したゲリラ豪雨。夕陽とのミスマッチ・コラボレーションが美しい。

写真は、この夏(2017年)、東京で遭遇したゲリラ豪雨の様子を撮影したものです。

こういう状況を「バケツをひっくり返した」という言葉で表現することが多いですが、この時は、バケツを・・・と言うよりも、パチンコ玉がいっぱい入ったケース、「ドル箱」って言うんですかね。それをひっくり返したような・・・

いや、パチンコ玉ほど雨粒は大きくないですね。

えーと、じゃぁ 例えば、子供のころにあったオモチャ「銀玉鉄砲」の銀玉をバケツ一杯にして、それを高い所から ひっくり返したような・・・あ、結局、バケツをひっくり返すことになってしまいましたが、
でも、ま、そんな感じの、傘に穴が開くんじゃないかってくらいの豪雨でした。


突然の凄い雨に、みな慌ててビルの下に駆け込んできました。

写真に写っている男性は、幸い傘をお持ちだったようで、若干落ち着いている風に見えますが、それでも大粒の雨に傘をひどく叩かれ、困惑の表情で避難してきました。

私はと言えば、降り始めの雨には遭遇したものの、運良く近くにこのビルがあり、すぐさま雨宿り。
髪や肩、鞄をハンカチで拭きながら、「ふー助かったぁ」といった感じでした。

そして、夕陽と豪雨のミスマッチな光景に魅了され、のんきにも、すかさず この写真を撮っているのでした。
ビルの陰に浮かぶ、夕陽に照らされた無数の雨粒がご覧いただけますでしょうか。


普通に使うようになってしまったイヤな言葉たち


ところで、「ゲリラ豪雨」って名称が、今ではすっかり定着してしまいましたね。

「ゲリラ」なんて 恐ろしい戦争用語は、本来使いたくないものですが、「何処で遭遇するかわからず、しかも激しい攻撃のよう」な雨ということから、的を得た表現ということになるのでしょう。

それから もうひとつ、
あまり聞きたくない言葉で、このところよく耳にしてしまうのが「テロ」や「テロリスト」。

ヨーロッパやアフリカ、中東、東南アジアなどから、耳を塞ぎたくなるようなニュースが流れてくる度に、鬱々とした気分になり、ぐるぐると色々なことを考えてしまいます。

日本は? 平和? 本当? 感謝? それだけでいいの? 何をすべき? 何もできない? 問題は何? 問題意識の無さ? 知らされていない? 知ろうとしていない? 今が? 未来が? 誰が? 自分が? 皆が? ・・・・・・

考えはそれぞれに色々あると思うのですが、一つハッキリ言えること。
―― あらゆるところで起こっている暴力に、反対します。


さて、先日、妻から こんな話を聞きました。。。

フランス語学校の先生が、里帰りで日本からフランスへ戻る時のことを話していて、
「長時間乗ることになる飛行機が大変なんだ。うちには プティ・テロリスト がいるから・・・」と。

この話を聞いて、思わず ニヤッ としてしまいました。

やんちゃ盛りの息子さんがいるのでしょう。
他のお客さんに迷惑をかけられない、静かにしなくてはいけない機内で、小さな子供を抱えた親御さんは確かに大変です。

さすがフランス人、言い得て妙なり。

それにしても、あの恐ろしい言葉に「プティ」を付けただけで、全く反対の可愛らしい意味になって伝わる。
不思議なものです。

日本でも、なかなか言うことを聞いてくれず、大人しくしてくれない我が子のことを 例えて、親が「うちに 小さな怪獣がいる」なんて言うことがありますが、あれと同じかもしれませんね。

テロに限らず、全ての人に対して、暴力の無い、平和な世界になることを 切に願います。


2017-08-21

カトリックの一大聖地ルルド。奇跡の泉が湧き出でる、多くの巡礼者が祈りを捧げる聖域で、我々観光客は・・・ 【フランス旅】

ルルド聖域にて、沐浴を終え、十字架を担いで歩く女性
沐浴を終え、十字架を担いで聖堂へ向かう女性 / ルルド聖域にて

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE


敬虔な信仰心を持ち、祈りのため、病気の治癒のため、摯実な思いを抱き この町を訪れる人が多いと聞く。
そんな カトリックの聖地ルルドへ向かっていた 私の気持ちは、当初「軽い気持ちで訪れてしまってもよいのだろうか・・・」だった。

しかし、街なかや、サンクチュアリ(聖域)内部を歩くにつれ、私の考えは杞憂であることがわかってくる。

もちろん、周りにいるのは 巡礼の方々がほとんどなので、そこここで祈りを捧げている人がたくさんいるのだが、私のような 若干ミーハーな観光客でも、皆さんのお邪魔をしなければ、寺社仏閣を巡るような いつもの感覚でいても問題はない。

特別に畏まる必要もなく、万病を治すと言われている「ルルドの泉」を 口にすることもできるし、サンクチュアリ内部に幾つも存在する聖堂で執り行われている様々な言語でのミサにも、自由に参加したり、見学したりすることができる。

私の訪問中、ある場所ではイタリア語で、ある場所では ちょっと解らない言語で、粛々とミサが行われていた。

また、神父さんがお話しをされる演壇横に、コートジボワールの国旗を掲げ 執り行われているミサがあった。
式辞の途中途中で歌われるのが、これまでよく耳にしてきた優美な曲調の讃美歌ではなく ゴスペルのようで、そのエネルギッシュで爽やかな雰囲気に とても惹きつけられた。

「わぁ、なにか・・・とても、気持ちいい」
しばらく、その空間に居させてもらった。

ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂内部の礼拝堂で行われているミサの様子
サンクチュアリ内部にある聖堂の一つ。
ここでは今、コートジボワールの方々のミサが行われている。

奇跡を起こすと言われる「ルルドの泉」へ


ロザリオ大聖堂が立つ岩盤の下には洞窟があり、泉が湧いている。
有名な「ルルドの泉」だ。

泉から湧き出る水は、病気治癒の奇跡を起こすとされている。

病気治癒の奇跡を起こすルルドの泉が湧く洞窟。この場所でマリアが目撃されたとされている。
ルルドの泉が湧き出る洞窟。この場所に聖母マリアが現れたと言われている。

「泉」と言っても、洞窟の中の 水が湧き出ているところから、直接水を汲んだり 飲んだりすることができるわけではなく、近くの蛇口を利用する。
たくさんの人に行きわたるように、泉の水が そこから出てくるのだ。

蛇口のボタンを押し、両手に水を溜め、その場でゴクゴク飲む人もいれば、水を持ち帰る為に タンクやペットボトルに注ぐ人もいる。

また、お土産にするために、聖母マリアの形をした 小さなボトルに水を入れている人もいる。(マリア様の形のボトルは 大きさも数種類あり、街のお土産物屋さんで売っています。)

小さな子供も、大人も、お年寄りも、そして、身体の不自由な人や 歩行に自信のない人は、ボランティアと思しき方々が曳く人力車のような乗り物に乗って この場所に赴く。

泉の水を口にし、健康な人は健康なままに、病気や怪我を抱える人は 奇跡を・・・、そう願って。

奇跡を起こすと言われるルルドの泉が流れ出る蛇口に並ぶ老若男女
ルルドの泉を飲むことができる 蛇口に並ぶ人たち

沐浴施設の周囲は また少し異なる雰囲気が


洞窟がある場所から更に奥に進むと、たくさんの蝋燭が並ぶ場所、そしてその先に沐浴施設がある。

沐浴施設の前では、朝からたくさんの人が集まり、静かにその順番を待っている。

並んでいる人たちの中には、目を閉じ、ブツブツと祈りの言葉を呟いている人がいる。
障碍を持った方々も 付き添いの方と一緒に並んでいる。

皆さんそれぞれ表情は穏やかだが、私とは そこにいることに対する気持ちに 大きな違いがある。それがよくわかる。

沐浴というのが、どういうふうに行われるのか。
また、ここで沐浴をすると、どんな気持ちになるのか。
興味はあったが、おそらく長時間待つことになるのと、ルルドに入る前に抱いていた気持ち「軽い気持ちでよいのか?」が、ここで再び頭をよぎり、今回は参加を見送ることにした。

ルルド聖域(サンクチュアリ)で沐浴の順番を待つ大勢の人たち
朝早くから沐浴の順番を待つ大勢の人たち


【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

2017-08-11

ルルドの8月15日(聖母被昇天祭)/世界中から巡礼に訪れる人たちを 厳戒態勢の街が迎える 【フランス旅】

夕焼けを背にしたフランス、ルルドのロザリオ大聖堂
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE


軽い気持ちで訪れてしまってもよいのだろうか――。
信仰心も 信心深さも無い私は、そんな不安をちょっとだけ胸に秘め、ポー空港(Aéroport Pau Pyrénées)に降り立った。
(※2016年の夏のことです。)

ここからカトリックの聖地ルルドまで およそ60㎞。
レンタカーで 1時間30分ほどだ。

ルルドの町のことを知ったのは随分前のこと。とても真面目そうなテレビ番組の中だった。

「ここに来られた」ことで嬉しそうにしている人たちの ささやかな笑顔や、地面に膝をつき真剣に祈っている姿といった、巡礼者の方々の様子を見ながら、「いつかこの町に行ってみたい」。何となく、そう思ったのだ。

ただ、調べてみれば そこはカトリックの一大聖地。
巡礼者は世界中から訪れ、年間の訪問者数は 500万人とも600万人とも言われている。

沐浴をしたり、泉から湧き出る聖水を飲んだり 持ち帰ったりと、病を癒すため、奇跡を信じ、重厚な思いを抱いて訪れる人も多い。

8月15日の聖母被昇天祭のため通行規制をしているルルドの街

町じゅう 通行止めばかり


ルルドの町の西側から 車で市街地へ入ろうとしたところ、町の入り口付近に、コンクリートの大きな塊と一緒に「Route Barrée」(通行止め)の看板が置かれ、通行規制が敷かれていた。

あらら、そうですか。工事か何かやってるのかな・・・。
それなら と 来た道を戻り、迂回して北側からメインロードに入ろうとすると、またもや「Route Barrée」(通行止め)。

うぬぬ・・・。
再び来た道を戻り、今度は町の南側から・・・。
街なかにも ところどころ通行規制が敷かれている。くねくねと細い路地を使いながら、やっとの思いで宿にたどり着いた。

何故、こんなにも道が規制されているのだろう・・・。
しばらくして、その理由がわかった。

ちょうど1ヶ月前の 2016年7月14日 。
日本で「パリ祭」と呼ばれている フランスの革命記念日(Le Quatorze Juillet)に、ニース(Nice)で起きた 車両による テロ事件が影響していたのだ。

祝祭の花火見物のため、人がたくさん集まっていた ニースの プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)に 大型トラックが突っ込み、86名の方が亡くなり、400人以上の負傷者(AFP通信より)が出た。

つまり、大きな行事があり、人が大勢集まる場所が また狙われる恐れがあるということなのだ。

フランスは 翌日の 8月15日、聖母被昇天祭(L'Assomption)を迎える。
そのため ルルドには、この日を目指し、多くの巡礼者が訪れている。

実際、参道沿いの土産物屋や飲食店は とても賑わっていたし、町はずれにある駐車場では、カラフルな大型観光バスから たくさんの人が降りてくる。

まるで日本の温泉街のように林立する大小のホテルも、その多くが満室のようだ。

街には 機関銃を携えた警備兵の姿もあり、サンクチュアリ(聖域)と呼ばれるエリアに入るには、持ち物検査が必須になっていた。

そして、車道には、車が暴走できないように、通行止めのコンクリートが置かれたり、工事用の重機などを置いて時差式に交通規制を敷くなど、外来車両が簡単に侵入できないようにしていたのだ。

車の暴走から歩行者を守るためバリアーになている重機車両、ルルドにて。
車の暴走や侵入を防ぐバリアーとして置かれている重機車両

さて、この厳戒態勢のなか、街を散策したり、サンクチュアリ内部を見学させていただくことになるのだが、冒頭に記した、この聖地を「軽い気持ちで訪れてしまってもよいのだろうか」といった 私の不安な気持ちは まだ、宙に浮いたままでいる。


【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。
 ※このとき(2016年)私は 本文にありますように、ポー空港(Aéroport Pau Pyrénées)を使いましたが、フライトスケジュールが合うようでしたら、タルブ・ルルド・ピレネー空港が便利です。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

2017-08-01

イタリア北東部の聖地「パドヴァ」で人気の屋台「La Folperia」  【イタリア旅】

イタリア、パドヴァのフルッティ広場にある人気の屋台 “La Folperia”」
Piazza del Frutti

パドヴァ/ヴェネト/イタリア
Padova/Veneto/ITALIA


広場の一角に人だかり


ヴェネツィア・マルコ・ポーロ空港(Aeroporto Marco Polo di Venezia)に到着した妻を車で迎えに行き、その後、パドヴァに入った。

日はもう傾き始めている。
まずは町の中心へ、と「ラジョーネ宮(Palazzo della Ragione)」の辺りを歩いていると、フルッティ広場の片隅に人だかりがある。
そこには「La Folperia」という名の屋台が出ており、海産物や野菜を中心とした総菜が並べられていた。

中でも目立ったのは茹でたタコ。
注文が入ると、店主は寸胴みたいな大きな鍋の蓋を開け、中から成人男性の拳くらいの大きさのタコを一匹つまみ上げる。そして、まな板の上に載せてザクザク切る。それを皿に盛りつけ、ハーブやオリーブオイルなどで作ったソースをトロリとかけて客に渡す。

注文がどんどん入るので、目の前で、ひっきりなしにタコがぶった切られる。
見た目は、ちょっぴりグロテスク。

タッパーに入れて持ち帰る客もいるが、ほとんどの客は広場で食べている。
広場でといっても、地べたに座ってというわけではなく、近くのバールが出しているテーブルと椅子を使って食事をしているのだ。

「え? それってありなの?」
別の店で買った総菜を、そこで食べて叱られないのか心配になるが、そこはさすがイタリア、固いことは言わない。

バールの店員も、自分のところのテーブルに座った客がいれば、通常通り注文をとりに行く。
お客は、もちろん飲み物やスナックをそこでも注文する。
どうやら、それでOKということのようだ。

私も真似をして、茹でダコと、小魚のフライにくたくたの野菜が添えられた総菜を屋台で購入し、皿を持って近くのバールのテーブルに座った。

そして、やって来た店員にスプリッツ(アペロール、プロセッコ、炭酸水などを混ぜ合わせたオレンジ色のドリンク)とランブルスコ(天然微発砲ワイン)を注文し、淡い夕日を浴びながら、妻との久々の晩餐を始めることにした。



【行き方】
・ヴェネツィアから鉄道「Frecciabianca」で約30分
・ミラノから鉄道「Frecciabianca」で約2時間

【主な見どころ】
・Basilica di S.Antonio (サン・タントニオ聖堂)
・Orto Botanico (植物園)
・Prato della Valle (プラート・デッラ・ヴァッレ)
・Palazzo della Ragione (ラジョーネ宮)
・Piazza dei Signori (シニョーリ広場)
・Cappella degli Scrovegni (スクロヴェーニ礼拝堂)

【参考サイト】
Comune di Padova(パドヴァ市/観光ページ)
Provincia di Padova(パドヴァ県)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

2017-07-21

静かに光る巨大エクレア/ヴェネト州「パドヴァ」 【イタリア旅】

イタリア、ヴェネト州「パドヴァ」で見たサン・タントニオ聖堂と夕焼け

パドヴァ/ヴェネト/イタリア
Padova/Veneto/ITALIA

古い映画の別れの言葉みたいに
去り際にキザな光を残す
やるなぁ 太陽


フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア(Friuli-Venezia Giulia)州のあたりを何日間か車でグルグル回ったのち、ヴェネツイァ・マルコ・ポーロ空港(Aeroporto Marco Polo di Venezia)に到着する妻を迎えに行き、その日の宿をどの町にとろうか、と考えていた。

もちろんヴェネツィアが近くてベストだが、その後の旅程を考慮すると、違う町が良い。
また、町なかではなく、片田舎にポツンと建っているような素敵な宿もたくさんあるのだが、今回は空港から車で1時間以内で行けそうで、しばらく滞在しても楽しそうな町を見つけたかった。

候補として挙がった町は3つ。

日本でも有名な会社、「ベネトン」や「デロンギ」の本社がある、水の街トレヴィーゾ(Treviso)。
往時の城壁が今も残るカステルフランコ・ヴェネト(Casrelfranco Veneto)。
世界遺産の植物園(Orto Botanico)があるなど見どころの多いパドヴァ(Padova)。

そしてこの旅では、3つの中で最も大きな町であるパドヴァを選ぶことにした。

パドヴァのサン・タントニオ聖堂前に集まっているシスターたち
Piazza del Santo

実は恥ずかしながら、私はこの旅を計画する段階まで、パドヴァという町を知らなかった。
ヨーロッパ最古といわれる大学があったり、イタリアの重要な巡礼地であるサン・タントニオ聖堂(Basilica di S.Antonio)があるなど、世界中から多くの人が訪れる町ということを知り、一気に興味が湧いたのだ。

光を帯びたエクレアが静かに浮かび上がる


見どころの多いパドヴァだが、町の中心に、お菓子のエクレアを巨大にしたような建造物ラジョーネ宮(Palazzo della Ragione)がある。
そして、その建物の南北に、ちょうどそのエクレアを挟み込むように広場が広がっている。
北にフルッティ広場(Piazza dei Frutti)、南にエルベ広場(Piazza delle Erbe)といった具合だ。

昼間の広場は市場が開かれ、とても賑わっており、その活気ある様子は見ているだけでも楽しい。
ただ、もし可能なら、日が暮れてからも訪ねてみることをお勧めする。
人影が消え、閑散とした広場に、光を蓄えたラジョーネ宮が、静かに浮かび上がり大変美しい。

町に見どころが多くとも、全てを見ようと躍起になる必要はない。
多くのイタリアの町に言えることだが、町そのものが、さながら高貴な美術館のようなものなのだ。
街を歩き、外から建物を眺めるだけでも十分に楽しめる。

パドヴァの中心、ラジョーネ宮の夜の様子
Palazzo della Ragione




【行き方】
・ヴェネツィアから鉄道「Frecciabianca」で約30分
・ミラノから鉄道「Frecciabianca」で約2時間

【主な見どころ】
・Basilica di S.Antonio (サン・タントニオ聖堂)
・Orto Botanico (植物園)
・Prato della Valle (プラート・デッラ・ヴァッレ)
・Palazzo della Ragione (ラジョーネ宮)
・Piazza dei Signori (シニョーリ広場)
・Cappella degli Scrovegni (スクロヴェーニ礼拝堂)

【参考サイト】
Comune di Padova(パドヴァ市/観光ページ)
Provincia di Padova(パドヴァ県)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

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