2017-08-21

カトリックの一大聖地ルルド。奇跡の泉が湧き出でる、多くの巡礼者が祈りを捧げる聖域で、我々観光客は・・・ 【フランス旅】

ルルド聖域にて、沐浴を終え、十字架を担いで歩く女性
沐浴を終え、十字架を担いで聖堂へ向かう女性 / ルルド聖域にて

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE


敬虔な信仰心を持ち、祈りのため、病気の治癒のため、摯実な思いを抱き この町を訪れる人が多いと聞く。
そんな カトリックの聖地ルルドへ向かっていた 私の気持ちは、当初「軽い気持ちで訪れてしまってもよいのだろうか・・・」だった。

しかし、街なかや、サンクチュアリ(聖域)内部を歩くにつれ、私の考えは杞憂であることがわかってくる。

もちろん、周りにいるのは 巡礼の方々がほとんどなので、そこここで祈りを捧げている人がたくさんいるのだが、私のような 若干ミーハーな観光客でも、皆さんのお邪魔をしなければ、寺社仏閣を巡るような いつもの感覚でいても問題はない。

特別に畏まる必要もなく、万病を治すと言われている「ルルドの泉」を 口にすることもできるし、サンクチュアリ内部に幾つも存在する聖堂で執り行われている様々な言語でのミサにも、自由に参加したり、見学したりすることができる。

私の訪問中、ある場所ではイタリア語で、ある場所では ちょっと解らない言語で、粛々とミサが行われていた。

また、神父さんがお話しをされる演壇横に、コートジボワールの国旗を掲げ 執り行われているミサがあった。
式辞の途中途中で歌われるのが、これまでよく耳にしてきた優美な曲調の讃美歌ではなく ゴスペルのようで、そのエネルギッシュで爽やかな雰囲気に とても惹きつけられた。

「わぁ、なにか・・・とても、気持ちいい」
しばらく、その空間に居させてもらった。

ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂内部の礼拝堂で行われているミサの様子
サンクチュアリ内部にある聖堂の一つ。
ここでは今、コートジボワールの方々のミサが行われている。

奇跡を起こすと言われる「ルルドの泉」へ


ロザリオ大聖堂が立つ岩盤の下には洞窟があり、泉が湧いている。
有名な「ルルドの泉」だ。

泉から湧き出る水は、病気治癒の奇跡を起こすとされている。

病気治癒の奇跡を起こすルルドの泉が湧く洞窟。この場所でマリアが目撃されたとされている。
ルルドの泉が湧き出る洞窟。この場所に聖母マリアが現れたと言われている。

「泉」と言っても、洞窟の中の 水が湧き出ているところから、直接水を汲んだり 飲んだりすることができるわけではなく、近くの蛇口を利用する。
たくさんの人に行きわたるように、泉の水が そこから出てくるのだ。

蛇口のボタンを押し、両手に水を溜め、その場でゴクゴク飲む人もいれば、水を持ち帰る為に タンクやペットボトルに注ぐ人もいる。

また、お土産にするために、聖母マリアの形をした 小さなボトルに水を入れている人もいる。(マリア様の形のボトルは 大きさも数種類あり、街のお土産物屋さんで売っています。)

小さな子供も、大人も、お年寄りも、そして、身体の不自由な人や 歩行に自信のない人は、ボランティアと思しき方々が曳く人力車のような乗り物に乗って この場所に赴く。

泉の水を口にし、健康な人は健康なままに、病気や怪我を抱える人は 奇跡を・・・、そう願って。

奇跡を起こすと言われるルルドの泉が流れ出る蛇口に並ぶ老若男女
ルルドの泉を飲むことができる 蛇口に並ぶ人たち

沐浴施設の周囲は また少し異なる雰囲気が


洞窟がある場所から更に奥に進むと、たくさんの蝋燭が並ぶ場所、そしてその先に沐浴施設がある。

沐浴施設の前では、朝からたくさんの人が集まり、静かにその順番を待っている。

並んでいる人たちの中には、目を閉じ、ブツブツと祈りの言葉を呟いている人がいる。
障碍を持った方々も 付き添いの方と一緒に並んでいる。

皆さんそれぞれ表情は穏やかだが、私とは そこにいることに対する気持ちに 大きな違いがある。それがよくわかる。

沐浴というのが、どういうふうに行われるのか。
また、ここで沐浴をすると、どんな気持ちになるのか。
興味はあったが、おそらく長時間待つことになるのと、ルルドに入る前に抱いていた気持ち「軽い気持ちでよいのか?」が、ここで再び頭をよぎり、今回は参加を見送ることにした。

ルルド聖域(サンクチュアリ)で沐浴の順番を待つ大勢の人たち
朝早くから沐浴の順番を待つ大勢の人たち


【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

2017-08-11

ルルドの8月15日(聖母被昇天祭)/世界中から巡礼に訪れる人たちを 厳戒態勢の街が迎える 【フランス旅】

夕焼けを背にしたフランス、ルルドのロザリオ大聖堂
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes

ルルド/オクシタニー/フランス
Lourdes/Occitanie/FRANCE


軽い気持ちで訪れてしまってもよいのだろうか――。
信仰心も 信心深さも無い私は、そんな不安をちょっとだけ胸に秘め、ポー空港(Aéroport Pau Pyrénées)に降り立った。
(※2016年の夏のことです。)

ここからカトリックの聖地ルルドまで およそ60㎞。
レンタカーで 1時間30分ほどだ。

ルルドの町のことを知ったのは随分前のこと。とても真面目そうなテレビ番組の中だった。

「ここに来られた」ことで嬉しそうにしている人たちの ささやかな笑顔や、地面に膝をつき真剣に祈っている姿といった、巡礼者の方々の様子を見ながら、「いつかこの町に行ってみたい」。何となく、そう思ったのだ。

ただ、調べてみれば そこはカトリックの一大聖地。
巡礼者は世界中から訪れ、年間の訪問者数は 500万人とも600万人とも言われている。

沐浴をしたり、泉から湧き出る聖水を飲んだり 持ち帰ったりと、病を癒すため、奇跡を信じ、重厚な思いを抱いて訪れる人も多い。

8月15日の聖母被昇天祭のため通行規制をしているルルドの街

町じゅう 通行止めばかり


ルルドの町の西側から 車で市街地へ入ろうとしたところ、町の入り口付近に、コンクリートの大きな塊と一緒に「Route Barrée」(通行止め)の看板が置かれ、通行規制が敷かれていた。

あらら、そうですか。工事か何かやってるのかな・・・。
それなら と 来た道を戻り、迂回して北側からメインロードに入ろうとすると、またもや「Route Barrée」(通行止め)。

うぬぬ・・・。
再び来た道を戻り、今度は町の南側から・・・。
街なかにも ところどころ通行規制が敷かれている。くねくねと細い路地を使いながら、やっとの思いで宿にたどり着いた。

何故、こんなにも道が規制されているのだろう・・・。
しばらくして、その理由がわかった。

ちょうど1ヶ月前の 2016年7月14日 。
日本で「パリ祭」と呼ばれている フランスの革命記念日(Le Quatorze Juillet)に、ニース(Nice)で起きた 車両による テロ事件が影響していたのだ。

祝祭の花火見物のため、人がたくさん集まっていた ニースの プロムナード・デ・ザングレ(Promenade des Anglais)に 大型トラックが突っ込み、86名の方が亡くなり、400人以上の負傷者(AFP通信より)が出た。

つまり、大きな行事があり、人が大勢集まる場所が また狙われる恐れがあるということなのだ。

フランスは 翌日の 8月15日、聖母被昇天祭(L'Assomption)を迎える。
そのため ルルドには、この日を目指し、多くの巡礼者が訪れている。

実際、参道沿いの土産物屋や飲食店は とても賑わっていたし、町はずれにある駐車場では、カラフルな大型観光バスから たくさんの人が降りてくる。

まるで日本の温泉街のように林立する大小のホテルも、その多くが満室のようだ。

街には 機関銃を携えた警備兵の姿もあり、サンクチュアリ(聖域)と呼ばれるエリアに入るには、持ち物検査が必須になっていた。

そして、車道には、車が暴走できないように、通行止めのコンクリートが置かれたり、工事用の重機などを置いて時差式に交通規制を敷くなど、外来車両が簡単に侵入できないようにしていたのだ。

車の暴走から歩行者を守るためバリアーになている重機車両、ルルドにて。
車の暴走や侵入を防ぐバリアーとして置かれている重機車両

さて、この厳戒態勢のなか、街を散策したり、サンクチュアリ内部を見学させていただくことになるのだが、冒頭に記した、この聖地を「軽い気持ちで訪れてしまってもよいのだろうか」といった 私の不安な気持ちは まだ、宙に浮いたままでいる。


【行き方】
・鉄道を利用する場合
 パリ、モンパルナス駅から、TGVで5時間弱
 トゥールーズ・マタビオ駅(Gare de Toulouse-Matabiau)から、およよ2時間~2時間半。
・飛行機を利用する場合
 パリ、オルリー空港から、タルブ・ルルド・ピレネー空港(Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées)まで、およそ1時間半。
 空港からルルドまで、バス、タクシーで およそ20分。
 ※このとき(2016年)私は 本文にありますように、ポー空港(Aéroport Pau Pyrénées)を使いましたが、フライトスケジュールが合うようでしたら、タルブ・ルルド・ピレネー空港が便利です。

【主な見どころ】
・Le Sanctuaire Notre-Dame de Lourdes (ルルド聖域)
Basilique Notre-Dame-du-Rosaire de Lourdes (ノートル・ダム・デュ・ロザリオ大聖堂)
・Grotte de Massabielle (マッサビエルの洞窟)
・La Maison Natale de Bernadette (ベルナデットの生家)
・Le château fort de Lourdes (ルルド城塞)
 他多数

【参考サイト】
LOURDES SANCTUAIRE (ルルド・サンクチュアリ)
Office de Tourisme de Lourdes (ルルド観光局)
Lourdes L'inspiratrice (ルルド・オフィシャル・サイト) 
Voyages-SNCF (TGV時刻検索)
Aéroport Tarbes-Lourdes-Pyrénées (タルブ・ルルド・ピレネー空港)
Transport MaLigne (タルブ・ルルド・ピレネー空港からルルドまでのバス)

2017-08-01

イタリア北東部の聖地「パドヴァ」で人気の屋台「La Folperia」  【イタリア旅】

イタリア、パドヴァのフルッティ広場にある人気の屋台 “La Folperia”」
Piazza del Frutti

パドヴァ/ヴェネト/イタリア
Padova/Veneto/ITALIA


広場の一角に人だかり


ヴェネツィア・マルコ・ポーロ空港(Aeroporto Marco Polo di Venezia)に到着した妻を車で迎えに行き、その後、パドヴァに入った。

日はもう傾き始めている。
まずは町の中心へ、と「ラジョーネ宮(Palazzo della Ragione)」の辺りを歩いていると、フルッティ広場の片隅に人だかりがある。
そこには「La Folperia」という名の屋台が出ており、海産物や野菜を中心とした総菜が並べられていた。

中でも目立ったのは茹でたタコ。
注文が入ると、店主は寸胴みたいな大きな鍋の蓋を開け、中から成人男性の拳くらいの大きさのタコを一匹つまみ上げる。そして、まな板の上に載せてザクザク切る。それを皿に盛りつけ、ハーブやオリーブオイルなどで作ったソースをトロリとかけて客に渡す。

注文がどんどん入るので、目の前で、ひっきりなしにタコがぶった切られる。
見た目は、ちょっぴりグロテスク。

タッパーに入れて持ち帰る客もいるが、ほとんどの客は広場で食べている。
広場でといっても、地べたに座ってというわけではなく、近くのバールが出しているテーブルと椅子を使って食事をしているのだ。

「え? それってありなの?」
別の店で買った総菜を、そこで食べて叱られないのか心配になるが、そこはさすがイタリア、固いことは言わない。

バールの店員も、自分のところのテーブルに座った客がいれば、通常通り注文をとりに行く。
お客は、もちろん飲み物やスナックをそこでも注文する。
どうやら、それでOKということのようだ。

私も真似をして、茹でダコと、小魚のフライにくたくたの野菜が添えられた総菜を屋台で購入し、皿を持って近くのバールのテーブルに座った。

そして、やって来た店員にスプリッツ(アペロール、プロセッコ、炭酸水などを混ぜ合わせたオレンジ色のドリンク)とランブルスコ(天然微発砲ワイン)を注文し、淡い夕日を浴びながら、妻との久々の晩餐を始めることにした。



【行き方】
・ヴェネツィアから鉄道「Frecciabianca」で約30分
・ミラノから鉄道「Frecciabianca」で約2時間

【主な見どころ】
・Basilica di S.Antonio (サン・タントニオ聖堂)
・Orto Botanico (植物園)
・Prato della Valle (プラート・デッラ・ヴァッレ)
・Palazzo della Ragione (ラジョーネ宮)
・Piazza dei Signori (シニョーリ広場)
・Cappella degli Scrovegni (スクロヴェーニ礼拝堂)

【参考サイト】
Comune di Padova(パドヴァ市/観光ページ)
Provincia di Padova(パドヴァ県)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

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