ラグーサ/シチリア/イタリア
Ragusa/Sicilia/ITALIA
20年ほど前。本屋さんで、何気な~く手にとった 本。
(この記事を書いているのは2018年です。)
◆『シチリアへ行きたい』(とんぼの本/新潮社 刊)
著・小森谷慶子さん、小森谷賢二さん
何気なく手にとった、と言っても、背表紙を見て選んでいるのだから、興味がなかったわけではない。
しかし 当時、シチリア島には、「安易に行けそうもない」という思いが 少なからずあった。
しかし 当時、シチリア島には、「安易に行けそうもない」という思いが 少なからずあった。
その感覚が正しかったかどうかは判らぬが、抱いていたイメージは、交通の便も悪く 荒涼とした大地が広がる「とても遠い場所(僻地)」といったものだ。
そこに もう一つ、漠然と漂っていたイメージ。それは「何となく怖そう・・・」というもの。
シチリアには、大ヒット映画「ゴッドファーザー」の印象がついて回っていたのだ。
私自身は本作を ちゃんと 見ていない。それでも 有名な映画ゆえ、おおよその内容は 耳目に入ってくる。
もちろん「ニュー・シネマ・パラダイス」のような 温かな印象も多少頭にはあるが、他からの情報が乏しかったこともあり、
<シチリア> → <マフィア> → <抗争> → <怖そう> と 勝手にイメージを膨らませていたのは、おそらく 私だけではなかったように思う。
もちろん「ニュー・シネマ・パラダイス」のような 温かな印象も多少頭にはあるが、他からの情報が乏しかったこともあり、
<シチリア> → <マフィア> → <抗争> → <怖そう> と 勝手にイメージを膨らませていたのは、おそらく 私だけではなかったように思う。
怖いモノ見たさ、というわけでもないが、その、ちょっと怖そうに思えるシチリアとは、どんなところなのだろう。
ましてや、そこへ「行きたい」とは・・・。
書架に並んだこの本に食指が動いたのは、私のそんな意識からだったと思う。
表紙の写真を見て ジャケ買い。「ここに 行ってみたい・・・」
「ジャケ買い」という言葉を、現代の若者たちは理解するのだろうか。
「ジャケ買い」とは、ジャケット、つまり、レコードやCDなどのパッケージ、または書籍の表紙だけを見て、中身をあまり考慮せずに購入することを言う。
ダウンロードが主流となった(書籍はそうでもないが)昨今では、ほとんど死語となっているのかもしれないが、私は その時、この本を「ジャケ買い」した。
ダウンロードが主流となった(書籍はそうでもないが)昨今では、ほとんど死語となっているのかもしれないが、私は その時、この本を「ジャケ買い」した。
もちろんパラパラと中身も確認したが、表紙の写真に とても魅せられてしまったのだ。
その写真は、土色の幾つもの建物が、丘の上に ゴチャゴチャとひしめき合う、そんな町の姿を 眼下に捉えていた。
その向こう、町の頂より高い位置に地平線があり、空と地面を分けている。
そのため、だだっ広い大地にできた 深く大きな裂け目に、ある意味「秘するように」、またある意味「誇示するように」町が 作られているように感じる。
人影のない、寂れたその姿は 遺跡のようにも見え、決して 爽快な美しい風景写真ではない。
そのため、だだっ広い大地にできた 深く大きな裂け目に、ある意味「秘するように」、またある意味「誇示するように」町が 作られているように感じる。
人影のない、寂れたその姿は 遺跡のようにも見え、決して 爽快な美しい風景写真ではない。
全体のトーンは、暗い。淋しい。そして、やはり ちょっと怖そう。である。
しかし その景色からは、この島の複雑な歴史と、人間が醸す情念や、綺麗ごとだけではない色々なものが、吹き上がってくる。
うら寂しく 物悲しい雰囲気の中に 漂う「静かな迫力」。
ここで 今、人は どういう風に 暮らしているのだろう・・・。
平穏な日本の町で生まれ 育った 私の中に、シチリアへの好奇心が 爆発的に拡がった。
手にした本の表紙の写真を見ながら、「いつか、ここへ行ってみたい」。
静かに そう思い「ジャケ買い」に至る。
その本の表紙に写る町こそ、「ラグーサ」だった。
≪ つづく ≫
静かに そう思い「ジャケ買い」に至る。
その本の表紙に写る町こそ、「ラグーサ」だった。
≪ つづく ≫
<補足>
小森谷慶子さん、小森谷賢二さんの ご著書『シチリアへ行きたい』(とんぼの本/新潮社 刊)は、2008年に改訂版が出版され、表紙が「タオルミナ」の写真に変わっているようです。
私が購入した本は、1997年に出版されたもので、表紙に「ラグーサ」の写真が使用されています。
【 行き方 】
・カターニアからバスで、約2時間
・シラクーサから鉄道で、約2時間~2時間15分
【主な見どころ】
・Cattedrale di San Giovanni Battista (サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂)
・Duomo di San Giorgio (サン・ジョルジオ大聖堂)
・Chiesa di Santa Maria delle Scale (サンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会 と そこからの眺め)
・Giardino Ibleo (イブレオ庭園)
・Ragusa Ibla e Ragusa Superiore (イブラ地区とスペリオーレ地区の街歩き)
・その他にも美しい教会、建造物など 見どころがある。
・カターニアからバスで、約2時間
・シラクーサから鉄道で、約2時間~2時間15分
【主な見どころ】
・Cattedrale di San Giovanni Battista (サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂)
・Duomo di San Giorgio (サン・ジョルジオ大聖堂)
・Chiesa di Santa Maria delle Scale (サンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会 と そこからの眺め)
・Giardino Ibleo (イブレオ庭園)
・Ragusa Ibla e Ragusa Superiore (イブラ地区とスペリオーレ地区の街歩き)
・その他にも美しい教会、建造物など 見どころがある。
・Comune di Ragusa (ラグーサ市)
・ETNA TRASPORTI (エトナ交通/バス会社)
・TRAINITALIA (イタリア鉄道)
・Trenitalia 代理店 (イタリア鉄道検索/日本語版)