2019-12-21

ゲンゲンバッハの町なかで駐車違反切符を切られた話のつづき 【ドイツ旅】

ドイツ、ゲンゲンバッハの市庁舎とマルクト広場
ゲンゲンバッハの市庁舎

Gengenbach/Land Baden-Württemberg/Deutschland
ゲンゲンバッハ/バーデン=ヴュルテンベルク州/ドイツ


<前回記事のつづきです>
慣れないドイツの地で、フランスでも経験したことがない 駐車違反の切符を切られてしまった私。
宿のお姉さんに教えてもらったとおり、罰金を支払うために市庁舎へとやって来た。

1階の中央扉を開けると正面に大階段。左右に部屋はあるものの、事務室は2、3階にあるような感じになっている。
全体的に薄暗く、人の気配をあまり感じない。

2階へ上がると 扉の開いた部屋が一つだけあり、そこから明かりが漏れている。話し声が聞こえてきた。
「す、すみませーん」声をかけて中に入る私。
年配の女性二人が輪転機のようなものを回している。

「何かようですか?」と、おそらくドイツ語で 彼女たちが応じてくれた。
手前にいる女性に駐禁切符を見せ「この支払いをしたい」と拙い英語で言ったが通じない。
ヤバい。ドイツ語は全くわからないし、どうしよう。。。

もう一度、今度はゆっくりと単語単語を区切った英語で「私、したい、支払い、これ、どこ?」

今度はこちらの意図が伝わったようで、女性は「トゥモロー」と言って上を指さした。
「明日、3階へ行きなさい」ということのようだ。

確かにもう5時を過ぎている。事務所はもう閉まっているのだろう。
「ダンケ」とりあえず知っているドイツ語で礼を言い、私はトボトボと階段を下った。

明日朝には町を離れることになる。それまでにこの問題を終わらせないと・・・。
そんな焦りや不安もあったけれど、こうなったら仕方がない。駐禁のことは忘れ、とりあえず今日は街を散策だ。
私はポケットから街の地図を取り出した。

黒い森にある美しい町「ゲンゲンバッハ」の情緒ある裏通り「エンゲルガッセ」

表通りとは異なる雰囲気を持つ裏通り「エンゲルガッセ(Engelgasse) 」。
木組みの民家が立ち並び、静かで、とても情緒にあふれている。


童話の国ドイツならではのオブジェ。何の物語かは不明

たぶん、何か童話の一説をモデルにした人形たち(オブジェ)なんだろうけれど、
剣道の技「抜き面」一本! にも見えてしまう。。。


ドイツではよく鷲のマークを見かけるが、ショッカーを思い出してしまう。

ヨーロッパの町は、夜、明る過ぎず穏やか。
ゲンゲンバッハの夜も、とても雰囲気が良い。


ゲンゲンバッハのマルクト広場に立つ美しい朝市

――翌朝。

市庁舎前のマルクト広場に小さな市が立っていた。
おお、いい感じ・・・雰囲気の良さに魅せられ辺りをウロウロしてしまう私・・・おっと、いけね。罰金を払いに来たんだった。

市庁舎の扉を押し開け、昨日言われた3階へと上がった。
幾つか部屋があったが、そのうちの一つにいた女性に声をかける。「すみませーん」

女性は「ハロー」と明るくこっちへやって来た。
違反切符を見せて「これ、払いたいんですけど」と言うと、「わかったわ。こちらへどうぞ」と奥の事務室みたいなところに通された。
係の男性に何やら伝えている。

私は男性に切符を渡した。
男性は、どこかから小さな金庫を持て来て、「では、10ユーロになります」とニッコリ言う。
10ユーロ紙幣を渡し、指定された場所にサインをする私。
男性は手書きの領収書みたいなものを発行してくれ「はい。どうも」

私としては、昔、日本で違反切符を切られたときの経験から、もっと厳めしい感じでコトが進むのではと不安だったのだが、えらくアッサリ手続きが終わる。

不安が解消されたせいか、係のお兄さんと「ここは美しい町ですね」とか「今日はいい天気でよかったね」などと、私はいつものお調子者観光客に戻っていた。

市庁舎から出て、美しい朝市をしばし見学していると 歩道の片隅にパーキングチケット発券機を発見。
「あー、昨日 もっと注意して見ておけばよかったぁ・・・」
慣れないドイツでの駐車にもっと慎重になるべきだったと、大いに反省するのでした。

ドイツ、ゲンゲンバッハのパーキングチケット発券機(駐車料金支払い機)



2019-12-11

市街地での路上駐車について ⑤(駐禁とられた! しかもフランスじゃなくドイツ、ゲンゲンバッハで)【ドイツ旅】

ドイツ黒い森にある真珠のような町「ゲンゲンバッハ」の美しい朝市の様子
市庁舎前のマルクト広場に美しく小さな市が立つ

Gengenbach/Land Baden-Württemberg/Deutschland
ゲンゲンバッハ/バーデン=ヴュルテンベルク州/ドイツ


普段はフランスやイタリアの町々を紹介しておりますが、今回はドイツの町をご紹介します――。

アルザスの中心都市ストラスブール(Strasbourg)から、
ドイツとの国境=ライン河を越え、車で30分ほど行った辺りに、ゲンゲンバッハという小さな町がある。

面白い名前だなぁと チョイと調べてみたら、ある紹介文に「宝石のような町」とある。
そんなことを言われてしまったたら、是非とも行ってみたくなるのが人情ってもの。
アルザスの村々を回る旅の最中、1日をゲンゲンバッハ訪問にあてることにした。

せっかくだからドイツの他の町も訪ねてみよう!
そう考え、ハスラッハ・イム・キンツィクタール(Haslach im Kinzigtal)、
シルタッハ(Schiltach)、ヴォルファッハ(Wolfach)、
そしてビールで有名なアルピルスバッハ(Alpirsbach)などを回り、
夕方、ゲンゲンバッハに到着した。

ゲンゲンバッハの町なかの様子(ハウプト通り/Hauptstraße)。泉も街並みも美しい。

車の中から町の様子を少し眺めただけで、人気のある町であることが解った。
三方が塔で囲まれた小さな町には、清潔感のある美しい建物が並んでいる。

観光客でごった返しているといった感じは無く 程よく賑わっていて、町を歩く人も、カフェで寛ぐ人もみな 何だか楽しそうだ。

宿の近くまで車を進めたが、周辺は車を停められそうにない。
空いている場所を探す。

私としては、できるだけ宿に近いところに、駐車スペースを確保したかった。
車から宿へ荷物を運ぶのに、便利だからだ。

車の数が多いわけではないのだが、町が小さいため、空きスペースがなかなか見つからない。

しかたなく、そのままぐるっと街を一周して再び宿の近くへ戻って来ると、近くのブティックの前に停まっていた車が一台 出発するところだった。
ラッキー! 私は、すぐさまそこへ車を停めた。

北側の塔から眺めた、ゲンゲンバッハの街並み、ヴィクトーア・クレッツ通り(Victor-Kretz-Straße)

荷物を持って宿へ向かった。
実はこの時期、宿は宿泊者数を制限しているようで、レセプションの受付時間も制限されており、そのことは予約の際に聞いていた。

よしよし、指定の時間内に到着できたぞ。
そう思いながら入口からちょっと奥まったところにあるレセプションへ行くと、先客がいる。
どの客も、制限時間内の到着を目指して来ているのだろう、少しのあいだ待つことになった。

間もなくして、私の番が来た。
滞りなくチェックインを済ませ、部屋に案内され一息。
そしてすぐ、再びレセプションに戻って宿のガレージの位置を確認した。

「OK。じゃぁそこに車を移動します。ダンケ!」私は レセプションのお姉さんに礼を言って 車へと戻った。
先ほど車を離れてから、15~20分くらい経っていたと思う。

車のワイパーのところに紙が挟まっていた。
時々、観光地の駐車場などでこういうことがある。
近くのワイナリーなどが、営業活動として、広告のチラシを挟んで行くことがあるのだ。

きっと今回もそうだろうと紙を引き抜くと、何やらいつもと体裁が違う。
レシートのような紙に、ドイツ語の細かい文字がつらつらと書かれている。

ドイツ、ゲンゲンバッハの町なかで切られた駐車違反切符

ん? これってもしかして・・・。
車を宿のガレージへ移動したあと、私は再び レセプションへ赴いた。

レセプションでその紙を見せると、お姉さんがとっても辛そうな表情で「申し訳ございません」と言う。

「駐禁ですか? これ」
「はい。大変申し訳ございません。私が もっと早くご案内をすれば・・・」
「いやいや、それはこちらも同じで、もっと早く確認しておけばよかったわけで・・・それで、これ、罰金ですかね?」
「はい。そうなってしまいます。本当に申し訳ございません。」

こんなに謝られた経験が フランスでは無かったので、私はちょっと戸惑いながら、逆に申し訳なくなり、
「大丈夫ですから。本当に」と彼女を慰める感じに・・・。

ドイツ人は真面目だという話をよく聞くが(いや、フランス人が不真面目というわけではないですからね。決して)、それを実感したような気がした。

自分に責任があると本気で謝るレセプションのお姉さんもそうだし、僅かな時間にキッチリ駐禁を捕る係員もそう。

罰金を取られて、あぁ~っと思う反面、フランスとのギャップにちょっと可笑しさも感じて、何だか面白いなぁって・・・(いや、けっしてフランスが真面目でないと言っているわけではないですからね、本当に。だってイタリアに比べたら・・・あっ、いや、えっと、その~、真面目も良いことですけれど、真面目になり過ぎない「ゆるさ」も大切だと思いますし、それが大好きなところでもあります。)

「罰金の支払い方法を教えていただけませんか」と私。
「この口座へ振り込むか、市庁舎へ行くか」とお姉さん。
「わかりました。振込みはできないので、市庁舎へ行ってみますね」
「申し訳ございません」お姉さんの辛そうな表情に、
「大丈夫、大丈夫、本当に気になさらないで」こっちが申し訳なくなってしまう。

そして早速、市庁舎へ行ってみることにした。

<つづく>



2019-12-01

市街地での路上駐車について ④(白や黄色の線で区切られたスペース)【フランス旅】

白いラインで区切られただけの無料路上駐車スペース

ここ何回かに渡って、市街地での路上駐車について書いています。
繰り返しになりますが、路上駐車スペースには、主に以下のようなものがあります。

1、「青い線」で区切られたスペース。
2、「青い線」で区切られ「15 MINUTE」など 時間が書かれたスペース。
3、「白線」で区切られ「PAYANT(ペイヨン/有料)」と書かれたスペース。
4、「白線」で区切られただけのスペース。
5、「白線」で区切られ「DEPOSE MINUTE」などと書かれたスペース。
6、「黄色い線」で区切られたスペース。

前回の記事まで 1~3について触れてきたのですが、今回は残りの4、5、6について記載します。


4、「白線」で区切られただけの駐車スペース。


白いラインで区切られ、Payant(有料)などの表示が路面や標識に無い場合、そこはおそらく無料の駐車スペースです(冒頭写真参照)。

これは、主に、車両数や、訪れる観光客の数がそれほど多くない田舎の町に多く見られます。

小さな村などは、村はずれや、村の入り口に、このような駐車場が確保されていて、
観光客はそこに車を停め、村を散策するといった具合です。

それより少し大きな町になると、
白いラインで区切られた無料駐車場と、青いラインで区切られた条件付き無料駐車場の両方を 併用している場合があります。
町の中心地付近は「ゾーン・ブルー」が、町はずれに白線の「無料駐車場」といった具合です。

また、「ゾーン・ブルー」と「白線の Payant(有料)駐車場」を併用している町もあれば、ほぼ「白線の Payant(有料)駐車場」しか無い町もあります。

いずれにしても、町の規模や、訪れる人の多さなどによって設定されているように思われます。
比較的大きな町の中心街には「Payant(有料)駐車場」しか無い場合が多いです。

なお、障碍者の方の優先スペースに、健常者の方は駐車できませんので、ご注意ください。これは日本と同じです。

障碍者の方専用の路上駐車スペース
障碍者の方の専用駐車スペース

それから、もう一つ忘れてはいけないことがあります。

無料駐車場であっても(有料の場合でも)、その場所でマルシェが開催されるとき(準備時間なども含め)、駐車してはいけません。

標識などに「何曜日の何時から何時までマルシェ開催のため駐車禁止」と書かれていますので、見落とさないようにご注意ください。

マルシェはその町に暮らす方々や、商売をされる方たちにとって、とても大切なもの。
知らずに停めていると、レッカー移動されてしまいます。


5、「白線」で区切られ「DEPOSE MINUTE」などと書かれたスペース。


「déposer」とは、人を車から降ろすことを言います。
つまり「同乗者を、この場所で降ろす時だけ 駐車していいよ」というスペースです。

駅前や、ちょっとした商店街の店舗前などで見られます。
知らずに ずっと停めていると、周りの車からプップーッ!とやられます。

駅に人を迎えに来た時など、駐車時間が少し長くなりそうな場合は、そのスペースに停めず、駅によっては別途無料駐車場があったり、Payant(有料)駐車場がありますので、そちらに停めるのが賢明です。

また、「白線」で区切られ「STATIONNEMENT MINUTES」と書かれたスペースも見ることがあります。
「Stationnement」は「駐車」のこと、「Minutes」は「分」とか「瞬間・短い時間」を意味します。
こちらの場合も、駐車時間は「ちょっとだけよ~」ということですね。


6、「黄色い線」で区切られたスペース。


納品専用車が使用するための「LIVRAISON」と書かれた駐車禁止スペース

黄色いラインで囲まれたスペースは「駐車禁止」です。

路上に書かれている「LIVRAISON」とは、「納品、配達」のことです。
地元の商店の運営に必要な、配達車両などが利用するスペースです。

また、バスの停留所なども、もちろん駐車禁止です。

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