サント=クロワ=アン=ジャレ/オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ/フランス
Sainte-Croix-en-Jarez/Auvergne-Rhône-Alpes/FRANCE
陽の光を浴びて輝くブドウ畑を見下ろし、涼やかな風が流れる牧草地を抜け、細い林道の木漏れ日をフロントガラス越しに感じながら、気持ちよーくなってきたころ、前方正面に 左右対称の石積み門が現れる。(冒頭写真↑)
山間にポツンと存在する小さな村「サント=クロワ=アン=ジャレ」だ。
門を中心に左右に広がる建物は 一見、城壁に見える。
しかし聞いたところによると、それは13世紀に建てられた修道院の一部だという。
そして、この門に連なる建造物の全体、つまり、もともと修道院だった一連の建物が、現在 そのまま一つの集落になっているらしい。
かつての宗教施設を改造し、役場や学校、民家として使っているようなのだ。
修道院だった建物を改造した民家の窓から外を眺める住人の方 |
石造りの古い建物が連なり、十字架が掲げられた質素な中庭もあって、元来が修道院であることがよくわかる。
子供たちは、砂遊びや かくれんぼ のようなことをして遊んでおり、少し離れて、大人たちが 若者からお年寄りまで、 世代を超えた友人のように ペタンクを楽しんでいる。
あまり耳にしたことのないような鳥の声。子供たちの歓声。ペタンクの球が 地面に落ちる音と 鉄球同士がカツンとぶつかる音。大人たちの静かな話し声。
それ以外に、音はない。
青い空、白い雲、薄茶色の石積みの建物、緑の木々・・・。
目の前にあるものは 数えられるほどに 限られており、村自体も小さいのに、この場所に立って感じるのは、時間的、そして 空間的な「永遠」。
和と洋の違いはあれど・・・
村の真ん中あたりで佇み、地図を眺めながら ふと考えた。
日本にもこういう所があるだろうか?
例えば、昔、お寺や神社だった建物が、そのまま集落になったような・・・。
思い当たらなかった。
ただ、集落ではないものの、建物の連なった感じや 中庭の存在、そして 美しく穏やか~な雰囲気を持つ場所として、私は、高岡(富山県)の瑞龍寺を思い出していた。
ずいぶん突飛な例えだなぁと、自分でも思いつつ・・・。
Sainte-Croix-en-Jarez(サント=クロワ= アン=ジャレ)
瑞龍寺(富山県)
修道院だったこの建造物も 高岡の瑞龍寺も、正面の門から入ると、建物が左右対称に近い形で配列され、中庭があり、建物の繋がり具合や その規模が、ちょっと似ているんじゃないかなぁ・・・と。
(きっと他にも同じようなお寺さんがあるのだろうけれど、たまたま思い浮かんだのが瑞龍寺だったのでした。。。)
この例えが 的確かどうかは ともかく、、、
世間の いろんなことを忘れてしまいそうになるくらい、の~んびりした、長閑~な、そんな村。
昼間、目を閉じ、草原を渡る風に吹かれてみたり、
夕方、民家から漏れる灯りや、夕餉の匂いに心絆されたり、
夜半、満天の星空の下で「小さいなぁ・・・」と呟き、一人 笑ってみたり、
早朝、なだらかな山々を順々に染めてゆく朝日を拝んでみたり と、
ここに宿をとって、呼吸を 深~く ゆっくり繰り返しながら、一日を過ごしてみるのもイイかもしれないなぁ。。。
羊たちが のんびり 草を食んでいます。 |
【 行き方 】
リヨン(Lyon)から鉄道で、サント=クロワ=アン=ジャレの北方にある町 リヴ=ドゥ=ジエ(Rive-de-Gier)へ向かい、そこからタクシーで向かう方法もあるが、リヴ=ドゥ=ジエ の鉄道駅が小さいこともあり タクシーを見つけられない可能性が高い。
そのため、レンタカーでの訪問がおすすめ。
リヴ=ドゥ=ジエ駅 から サント=クロワ=アン=ジャレの集落までは 山道を およそ10㎞。
そのため、レンタカーでの訪問がおすすめ。
リヴ=ドゥ=ジエ駅 から サント=クロワ=アン=ジャレの集落までは 山道を およそ10㎞。
【主な見どころ】
・Le Village de Sainte-Croix-en-Jarez (サント=クロワ=アン=ジャレ村全体)
・Mairie de Sainte-Croix-en-Jarez サント=クロワ=アン=ジャレ村役場