2019-04-01

ローマ皇帝の秘密基地だったりして? カステル・デル・モンテ 【イタリア旅】

ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている、13世紀にローマ皇帝フリードリヒ2世(フェデリーコ2世)によって建築された中世の城「カステル・デル・モンテ」。八角形を象徴的に取り入れ設計されている。

カステル・デル・モンテ/プーリア州/イタリア
Castel del Monte/Puglia/ITALIA


プーリア州の州都バーリ(Bari)の西およそ55㎞。
広大な田園風景が広がるアルタ・ムルジャ国立公園(Parco nazionale dell'Alta Murgia)北端の緩やかな丘の上にその城はある。

城にも色々あるけれど、はたしてこれを城と呼んでよいのか、そう感じてしまう不思議な建物。

13世紀半ばに、ローマ皇帝のフリードリヒ2世(フェデリコ2世/Federico II)が建てたということだが、見たところ、「戦いのための」というのでもなさそうだし、「住まい」にするには、ちょっと物足りない。

実際問題、何のために造られた城なのか よくわかっていないらしいのだが、私が勝手に想像するのは「壮大な秘密基地」説だ。(現在のところ「狩猟のため」という説が有力とのことです。)

年代や、育った地域、環境にもよるが、
子供の頃、近所の林の中や、空き地の土管に「秘密基地」なるものを作った男子は多い。
ゲームや小道具を持ち寄って仲間と遊んだり、虫取りなど自然と戯れる研究拠点にしたりして利用した。
木箱を用意するなどし、家へ連れて帰ることの叶わない、捨てられていた仔犬や子猫の世話をした少年少女もいただろう。

フリードリヒ2世さんも偉い人とはいえ人の子だ。しかも男子。
権力があるので、それなりのモノを作ることができる。
そして、おそらく学識があり、キチンとした性格の人物ではなかったか。
建物の形を見れば、何となく想像がつく。



横から見ている分には判らないが、城を真上から見ると、きっちり八角形に造られている。
また、その正八角形の八つの角それぞれに、正八角形の小塔が配置されている。
中庭もまた正八角形。

この基地を使い、居城ではできない遊びや自然観察、勉強や何かの試みなど、様々な楽しみを行ったのではないか。
数字の8を美しく城に溶け込ませる建築自体も楽しみながら・・・。

と、ここで気がついた。
「カステル・デル・モンテ=秘密基地」説を思い切って唱えてみたが、秘密基地は「秘密」でなければいけないのだった。

ここはなだらかな丘の上。周辺地域を見下ろしても、何もない。
茂みの中に隠されているわけでもなく、サンダーバードの基地のように地下にあるわけでもない。
この城は 傍からチョー丸見え。秘密には できそうもない。。。

私が立てた説は、あっけなく崩れ去った。

カステル・デル・モンテの建つ丘から周辺地域を見渡した様子
カステル・デル・モンテがある丘の上から周辺を見渡す



【 行き方 】
・バーリ空港(Aeroporto Internazionale di Bari-Karol Wojtyla)からレンタカーでおよそ1時間(約50㎞)
・バーリ(Bari)から鉄道かバスを使い、最寄りの町アンドリア(Andria)へ移動。
 アンドリアからカステル・デル・モンテまで、バスで20~30分。(1日数本のみ)

【 参考サイト 】
Castel del Monte (カステル・デル・モンテ公式サイト)
Ferrovie del Nord Barese (バーリ・ノルド鉄道)

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