2017-07-21

静かに光る巨大エクレア/ヴェネト州「パドヴァ」 【イタリア旅】

イタリア、ヴェネト州「パドヴァ」で見たサン・タントニオ聖堂と夕焼け

パドヴァ/ヴェネト/イタリア
Padova/Veneto/ITALIA

古い映画の別れの言葉みたいに
去り際にキザな光を残す
やるなぁ 太陽


フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア(Friuli-Venezia Giulia)州のあたりを何日間か車でグルグル回ったのち、ヴェネツイァ・マルコ・ポーロ空港(Aeroporto Marco Polo di Venezia)に到着する妻を迎えに行き、その日の宿をどの町にとろうか、と考えていた。

もちろんヴェネツィアが近くてベストだが、その後の旅程を考慮すると、違う町が良い。
また、町なかではなく、片田舎にポツンと建っているような素敵な宿もたくさんあるのだが、今回は空港から車で1時間以内で行けそうで、しばらく滞在しても楽しそうな町を見つけたかった。

候補として挙がった町は3つ。

日本でも有名な会社、「ベネトン」や「デロンギ」の本社がある、水の街トレヴィーゾ(Treviso)。
往時の城壁が今も残るカステルフランコ・ヴェネト(Casrelfranco Veneto)。
世界遺産の植物園(Orto Botanico)があるなど見どころの多いパドヴァ(Padova)。

そしてこの旅では、3つの中で最も大きな町であるパドヴァを選ぶことにした。

パドヴァのサン・タントニオ聖堂前に集まっているシスターたち
Piazza del Santo

実は恥ずかしながら、私はこの旅を計画する段階まで、パドヴァという町を知らなかった。
ヨーロッパ最古といわれる大学があったり、イタリアの重要な巡礼地であるサン・タントニオ聖堂(Basilica di S.Antonio)があるなど、世界中から多くの人が訪れる町ということを知り、一気に興味が湧いたのだ。

光を帯びたエクレアが静かに浮かび上がる


見どころの多いパドヴァだが、町の中心に、お菓子のエクレアを巨大にしたような建造物ラジョーネ宮(Palazzo della Ragione)がある。
そして、その建物の南北に、ちょうどそのエクレアを挟み込むように広場が広がっている。
北にフルッティ広場(Piazza dei Frutti)、南にエルベ広場(Piazza delle Erbe)といった具合だ。

昼間の広場は市場が開かれ、とても賑わっており、その活気ある様子は見ているだけでも楽しい。
ただ、もし可能なら、日が暮れてからも訪ねてみることをお勧めする。
人影が消え、閑散とした広場に、光を蓄えたラジョーネ宮が、静かに浮かび上がり大変美しい。

町に見どころが多くとも、全てを見ようと躍起になる必要はない。
多くのイタリアの町に言えることだが、町そのものが、さながら高貴な美術館のようなものなのだ。
街を歩き、外から建物を眺めるだけでも十分に楽しめる。

パドヴァの中心、ラジョーネ宮の夜の様子
Palazzo della Ragione




【行き方】
・ヴェネツィアから鉄道「Frecciabianca」で約30分
・ミラノから鉄道「Frecciabianca」で約2時間

【主な見どころ】
・Basilica di S.Antonio (サン・タントニオ聖堂)
・Orto Botanico (植物園)
・Prato della Valle (プラート・デッラ・ヴァッレ)
・Palazzo della Ragione (ラジョーネ宮)
・Piazza dei Signori (シニョーリ広場)
・Cappella degli Scrovegni (スクロヴェーニ礼拝堂)

【参考サイト】
Comune di Padova(パドヴァ市/観光ページ)
Provincia di Padova(パドヴァ県)
Trenitalia (イタリア鉄道検索/日本語版)

人気の記事