2019-06-21

天井画や壁画も素晴らしいが、面白いのは・・・/サン=サヴァン 【フランス旅】

世界遺産「サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会(Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe)」内部の柱の模様

サン=サヴァン/ヌーヴェル=アキテーヌ/フランス
Saint-Savin/Nouvelle-Aquitaine/FRANCE


この町へ訪れる観光客のほとんどは、世界遺産「サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会(Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe)」を訪れる。

天に突き刺さるような尖塔は遠くからも目を惹き、ロマネスクの教会堂自体も美しいが、その名を有名にしているのは、天井面や壁面に良好な状態で保存されている36点のフレスコ画だ。
多くは12、13世紀ころ、つまり今から800年くらい前に描かれたものだという。

教会内に入り天井を見上げる。そこで思った。
「あー、双眼鏡(みたいなモノ)を持ってくればよかったぁ。。。」

天井高はおそらく20メートルくらい。
何だか凄そうなのはわかるのだが、一つひとつの絵が、ぼや―っとしか見えないのだ。

世界遺産「サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会(Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe)」の天井画

描かれている絵はそれぞれ素晴らしいに違いない。
しかし、天井面いっぱいに絵が並び、それら全てが一度に目に入るため、全体としてグチャっとした印象になる。

これは、私の勉強不足から来ている感想なのだろう。
そこに「何が描かれているのか」「どういうことが描かれているのか」など、前もって予習して行くことで、見え方が全く違ってくるような気がする。

まとめると・・・
・双眼鏡(あまり荷物にならない小さいヤツありますよね)があると好い。
・絵の内容を予習していった方が楽しめそう。

それから(私見ですが)もう一つ・・・
天井画や壁画が有名で、実際にそれらが素晴らしい教会だが、実は堂内の「柱の模様」が面白い。(冒頭写真)
一本一本異なる不思議な文様。

古い天井画や壁画に対して、こちらはそんなに古いものではないのだろう。
そのため、それほど注目されてはいないようだが、な~んか 気になるのだ。

ガルトンプ川を挟んで世界遺産「サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会(Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe)」を眺める。
Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe

サン=サヴァン への アクセス


さて、サン=サヴァンの町への行き方だが、
町はずれに線路跡と思われる緑道があったり、駅へ向かう道だったと思しき「駅通り(Rue de la Gare)」という名の道があったりすることから、おそらく以前は鉄道が通っていて、それを使って訪れることができたと思われる。

しかし現在は鉄道はなく、ポワティエ(Poitiers)から、バス(Autocar)かレンタカーで向かうことになる。

バスの時刻表はSNCF(国鉄)のウェブサイト(https://www.oui.sncf/)で確認できる。
Départ(出発地)に「Poitiers-Gare-Routière」(ポワティエ・バスターミナル)、Arrivée(到着地)に「Saint-Savin」と入力して、検索する。
(※頁内にBusタブもありますが、Trainタブのままで検索します。/2019年3月現在)

ポワティエのバスターミナルは、ポワティエ国鉄駅(Gare de Poitiers)のすぐそばにある。サン=サヴァンまでは、片道45分だ。

ただ、もし可能なら、やはりレンタカーでの訪問がおすすめだ。
サン=サヴァンは静かでゆったりした良い町だが、他に大きな見どころがない。

そのため、旅行期間が限られた我々観光客には、前回記事でも書いたが、車を使うことで、ショヴィニー(Chauvigny)や、アングル=スュル=ラングラン(Angles-sur-l'Anglin)など、他の町や村と併せて訪問するのが好ましい。




【行き方】
・ポワティエ(Poitiers)からバスで45分、レンタカーでおよそ1時間(約45㎞)

【主な見どころ】
・Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe (サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会)

【参考サイト】
Ville de St-Savin (サン=サヴァン 町の公式サイト)
Abbaye de Saint-Savin sur Gartempe (サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会)
SNCF (フランス国鉄/バス時刻表検索もできます)

2019-06-11

世界遺産「サン=サヴァンの修道院」と併せての訪問も/アングル=スュル=ラングラン 【フランス旅】

フランスの最も美しい村の一つアングル=スュル=ラングランの眺め

アングル=スュル=ラングラン/ヌーヴェル=アキテーヌ/フランス
Angles-sur-l'Anglin/Nouvelle-Aquitaine/FRANCE


ユネスコの世界遺産が好きで、それらを巡る旅を計画される人の中には、サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会(Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe)への訪問を考える方もいらっしゃるのではないだろうか。

その教会は、天井や壁面などに描かれた中世の宗教画の数々が、状態よく保存されているロマネスク様式の美しい建造物で、文化的価値が大変高いことから、1983年に世界遺産として登録されている。

サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会(Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe)
サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会
(Abbatiale de Saint-Savin sur Gartempe)

サン=サヴァン(Saint-Savin)の町へレンタカーで訪れる場合には、おそらくポワティエ(Poitiers)などから向かうことになるかと思うが、せっかくなら、サン=サヴァンの北およそ16kmのところにあるアングル=スュル=ラングランを併せて巡る計画を立ててみるのもよいと思う。

さらに余裕があれば、ポワティエ と サン=サヴァン の ちょうど中ほどにある町、ショヴィニー(Chauvigny)に立ち寄るのも面白い。

サン=サヴァンは静かでゆったりした良い町だが、この教会以外に大きな見どころがない。
そのため、一日かけて世界遺産を堪能したいという人は別だが、普通に見学すれば、時間を持て余す可能性があるのだ。

例えば、こんな感じの行程はどうだろう。。。

<①ポワティエから別の滞在地へ向かう途中で立ち寄る場合>
ポワティエ→(25㎞)→ショヴィニー→(20㎞)→サン=サヴァン→(16㎞)→アングル=スュル=ラングラン→次の滞在地

<②ポワティエに滞在しながら巡る場合>
ポワティエ→(25㎞)→ショヴィニー→(20㎞)→サン=サヴァン→(16㎞)→アングル=スュル=ラングラン→(50㎞)→ポワティエ


小さく素朴な村「アングル=スュル=ラングラン」の巡り方


ポワティエや サン=サヴァンから、車でアングル=スュル=ラングランへ向かった場合、アングラン川の手前「低い村」側に到着する。

すぐそこにある橋の辺りから「高い村」側を眺めるのがビュースポットの一つなのだが、近辺に駐車場が無い。(冒頭写真参照)
車の往来は多くないものの、辺りは道が細いこともあり路上駐車は避けた方がよさそうだ。

橋を渡り、右にカーブを描きながら上ってゆくと、城塞の裏側に出る。
坂道に沿って駐車スペースが並んでいるので、一旦そこに車を停め、来た道を歩いて下り、橋のたもとへ向かうのが好い。

ちょっと面倒な気もするが、車をきちんと駐車場に停めておけば、心置きなく 河沿いからの見上げる美しい景色を堪能できる。

その後「高い村」を散策することになるが、まずは車をそこに停めたまま、城塞に登ってみる。
パノラマが素晴らしいことは間違いないが、崩れかけたリアルな建物を目の前にすると、歴史や戦い、人間って・・・などと、様々なことを考えさせられる。

アングル=スュル=ラングラン村の高台からの眺め

城塞を降りてからは、徒歩で村の中心まで登ってゆくのもよいが、車で移動したいと考えるなら、「P」の案内表示に従って進んでゆくとよい。

車は村の最上部の西端、シャン・ド・フォワール広場(Place du Champ de Foire)へと導かれる。
広場のすぐ脇に見晴台があり、さっきまでいた橋の辺りや、ポワトゥー地方に広がる森を眺めることができ、こちらもとても良い眺めだ。

見晴台から、教会通り(Rue de l'Église)に沿って歩き、村の中心部へ向かうと、サン=マルタン教会(Eglise Saint-Martin)がある。

アングル=スュル=ラングラン(Angles-sur-l'Anglin)村の中心にあるサン=マルタン教会(Eglise Saint-Martin)
サン=マルタン教会(Eglise Saint-Martin)

「低い村」の橋の辺りから「高い村」を見上げた際、真ん中に見えたのがこれ。
とても目を惹くので、大きく立派な教会かと思いきや、近くで見ると、民家と紛れてしまいそうなくらい素朴な建物であることに、逆に驚く。

道を挟んで教会の向かいに村の地図看板があるので、観光案内所(Office de Tourisme)が閉まっていた場合など、散策の助けになるだろう。小さな村や町ではよくあることだ。

出会う人は少なく、数時間あれば村を堪能できる。




【行き方】
・鉄道、バスを利用する場合
 シャテルロー(Châtellerault)から、近隣の町ラ・ロッシュ=ポゼ(La Roche-Posay)までのバスがあるが、そこでタクシーを見つけるのは困難と思われる。
 また、ポワティエから、同様に近隣の町サン=サヴァン(Saint-Savin)までのバスがあるが、そこでタクシーを見つけるのも困難と思われる。
 そのため、可能なら、ポワティエなどの大きな町から、タクシーかレンタカーにて向かうのがベター。
・ポワティエから車でおよそ1時間(約50㎞)
・シャテルローから車でおよそ45分(約35㎞)

【主な見どころ】
・Forteresse d'Angles-sur-l'Anglin (城塞)
・Eglise Saint-Martin (サン=マルタン教会)
・橋の辺りからの眺め
・高台からの眺め

【参考サイト】
Angles-sur-l'Anglin (アングル=スュル=ラングラン
Abbaye de Saint-Savin sur Gartempe (サン=サヴァン・スュル・ガルタンプ修道院付属教会)

2019-06-01

崩れかけた中世の城塞が聳える静かな村、アングル=スュル=ラングラン 【フランス旅】

フランスの最も美しい村の一つ「アングル=スュル=ラングラン」のビューポイント

アングル=スュル=ラングラン/ヌーヴェル=アキテーヌ/フランス
Angles-sur-l'Anglin/Nouvelle-Aquitaine/FRANCE


2015年まで、フランス西部にポワトゥー=シャラント(Poitou-Charentes)という名の地域圏があった。
かつて首府が置かれていたポワティエ(Poitiers)は、映像のテーマパーク「フュテュロスコープ(Futuroscope)」や、現代の先端技術を研究する機関が多く集まる都市として知られている。

そのポワティエから東北東におよそ50㎞。科学や最先端技術とは正反対の世界にあるような片田舎に、崩れかけた中世の城塞が残る小さな村「アングル=スュル=ラングラン」がある。

ちなみにポワトゥー=シャラント地域圏は、このサイトでも幾度かチョロっと触れている地方制度改革によって、2016年1月1日、隣接していたリムーザン地域圏、アキテーヌ地域圏と合併し、仮称 アキテーヌ=リムーザン=ポワトゥー=シャラント(Aquitaine-Limousin-Poitou-Charentes)という地域になった。

経営統合して長くなった日本の銀行の名前じゃあるまいし、さすがにその名称じゃ長過ぎでしょ・・・ということだったのか どうかは判らぬが、その後、正式な地域圏名として、ヌーヴェル=アキテーヌ(Nouvelle-Aquitaine)となっている。


何かスゴイものがあるわけではないが・・・


前置きはそのくらいにして・・・、
村は、日本でもよく知られている「フランスの最も美しい村(Les plus beaux villages de France)」の一つ。

この「フランスの最も美しい村」協会による選定は、旅先を選ぶ際に参考になるが、実際に訪ねてみると、村によっては観光客が溢れていて(ちょっぴり)辟易することがあったり、逆に、素朴過ぎて何~も無く、観光するには物足りなく感じたりする場合がある。

その点、アングル=スュル=ラングランは、季節やタイミングにもよるだろうが、どちらにも振り切れておらず、好く言えばちょうどいい感じと言ってよいだろう。
(強いてどちらかを言うなら、やや素朴側に近いかなぁ・・・。)

観光名所として何かスゴイものがあるわけではないが、どこを歩いていても静かで美しい家並みや景色が見られ、高低差もあって散策は楽しい。(膝や脚に痛みがある方には、ちょっとキツイかもしれませんが・・・)

村は、緩やかな流れのアングラン川両岸に広がっている。
右岸は、城塞があることでもわかるように全般的に標高が高く、村の大部分はこちら側にある。
一方、左岸は「低い村」と呼ばれる小さな集落で、ポワティエから車で向かった場合、川の手前のこちら側に、まずは到着する。

橋の辺りから対岸の「高い村」を望めば、素朴な家屋の赤屋根が段々に並び、崖の上には崩れかけた中世の城塞が、なかなかの迫力で聳えている。

歴史と美を感じさせるこのビューポイントから町を眺めていると、人気テーマパークのエントランスに立っているかのように、早くこの橋を渡って村内を歩き回りたいと、ワクワクした気分になってくる。
<つづく>

アングラン川に架かる橋から望む水車小屋と崖の上の中世の城塞



【行き方】
・鉄道、バスを利用する場合
 シャテルロー(Châtellerault)から、近隣の町ラ・ロッシュ=ポゼ(La Roche-Posay)までのバスがあるが、そこでタクシーを見つけるのは困難と思われる。
 また、ポワティエから、同様に近隣の町サン=サヴァン(Saint-Savin)までのバスがあるが、そこでタクシーを見つけるのも困難と思われる。
 そのため、可能なら、ポワティエなどの大きな町から、タクシーかレンタカーにて向かうのがベター。
・ポワティエから車でおよそ1時間(約50㎞)
・シャテルローから車でおよそ45分(約35㎞)

【主な見どころ】
・Forteresse d'Angles-sur-l'Anglin (城塞)
・Eglise Saint-Martin (サン=マルタン教会)
・橋の辺りからの眺め
・高台からの眺め

【参考サイト】
Angles-sur-l'Anglin (アングル=スュル=ラングラン
Futuroscope (フュテュロスコープ)

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