2019-06-01

崩れかけた中世の城塞が聳える静かな村、アングル=スュル=ラングラン 【フランス旅】

フランスの最も美しい村の一つ「アングル=スュル=ラングラン」のビューポイント

アングル=スュル=ラングラン/ヌーヴェル=アキテーヌ/フランス
Angles-sur-l'Anglin/Nouvelle-Aquitaine/FRANCE


2015年まで、フランス西部にポワトゥー=シャラント(Poitou-Charentes)という名の地域圏があった。
かつて首府が置かれていたポワティエ(Poitiers)は、映像のテーマパーク「フュテュロスコープ(Futuroscope)」や、現代の先端技術を研究する機関が多く集まる都市として知られている。

そのポワティエから東北東におよそ50㎞。科学や最先端技術とは正反対の世界にあるような片田舎に、崩れかけた中世の城塞が残る小さな村「アングル=スュル=ラングラン」がある。

ちなみにポワトゥー=シャラント地域圏は、このサイトでも幾度かチョロっと触れている地方制度改革によって、2016年1月1日、隣接していたリムーザン地域圏、アキテーヌ地域圏と合併し、仮称 アキテーヌ=リムーザン=ポワトゥー=シャラント(Aquitaine-Limousin-Poitou-Charentes)という地域になった。

経営統合して長くなった日本の銀行の名前じゃあるまいし、さすがにその名称じゃ長過ぎでしょ・・・ということだったのか どうかは判らぬが、その後、正式な地域圏名として、ヌーヴェル=アキテーヌ(Nouvelle-Aquitaine)となっている。


何かスゴイものがあるわけではないが・・・


前置きはそのくらいにして・・・、
村は、日本でもよく知られている「フランスの最も美しい村(Les plus beaux villages de France)」の一つ。

この「フランスの最も美しい村」協会による選定は、旅先を選ぶ際に参考になるが、実際に訪ねてみると、村によっては観光客が溢れていて(ちょっぴり)辟易することがあったり、逆に、素朴過ぎて何~も無く、観光するには物足りなく感じたりする場合がある。

その点、アングル=スュル=ラングランは、季節やタイミングにもよるだろうが、どちらにも振り切れておらず、好く言えばちょうどいい感じと言ってよいだろう。
(強いてどちらかを言うなら、やや素朴側に近いかなぁ・・・。)

観光名所として何かスゴイものがあるわけではないが、どこを歩いていても静かで美しい家並みや景色が見られ、高低差もあって散策は楽しい。(膝や脚に痛みがある方には、ちょっとキツイかもしれませんが・・・)

村は、緩やかな流れのアングラン川両岸に広がっている。
右岸は、城塞があることでもわかるように全般的に標高が高く、村の大部分はこちら側にある。
一方、左岸は「低い村」と呼ばれる小さな集落で、ポワティエから車で向かった場合、川の手前のこちら側に、まずは到着する。

橋の辺りから対岸の「高い村」を望めば、素朴な家屋の赤屋根が段々に並び、崖の上には崩れかけた中世の城塞が、なかなかの迫力で聳えている。

歴史と美を感じさせるこのビューポイントから町を眺めていると、人気テーマパークのエントランスに立っているかのように、早くこの橋を渡って村内を歩き回りたいと、ワクワクした気分になってくる。
<つづく>

アングラン川に架かる橋から望む水車小屋と崖の上の中世の城塞



【行き方】
・鉄道、バスを利用する場合
 シャテルロー(Châtellerault)から、近隣の町ラ・ロッシュ=ポゼ(La Roche-Posay)までのバスがあるが、そこでタクシーを見つけるのは困難と思われる。
 また、ポワティエから、同様に近隣の町サン=サヴァン(Saint-Savin)までのバスがあるが、そこでタクシーを見つけるのも困難と思われる。
 そのため、可能なら、ポワティエなどの大きな町から、タクシーかレンタカーにて向かうのがベター。
・ポワティエから車でおよそ1時間(約50㎞)
・シャテルローから車でおよそ45分(約35㎞)

【主な見どころ】
・Forteresse d'Angles-sur-l'Anglin (城塞)
・Eglise Saint-Martin (サン=マルタン教会)
・橋の辺りからの眺め
・高台からの眺め

【参考サイト】
Angles-sur-l'Anglin (アングル=スュル=ラングラン
Futuroscope (フュテュロスコープ)

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