2018-01-21

年末年始、パリの メトロ(地下鉄)は無料になるが・・・ 【フランス旅】

 パリ、デュプレックス駅の改札に貼られた手書きの案内「年末年始は無料で利用できます」
La Station de Metro "Dupleix"

パリ/イル・ドゥ・フランス/フランス
Paris/Île-de-France/FRANCE


前々回記事の末尾に、パリの年末年始はメトロ(地下鉄)が無料で利用できると書いたが、メトロだけではない。

かつて、元日の午前中に、ダンフェール・ロシュロー(Denfert-Rochereau)からオルリー空港(Aeroport de Paris-Orly)行きのバスに乗ったことがあり、そのバスも無料だった。

メトロが無料であることは認識していたが、空港行きのバスまでも無料だとは知らず、券売機でチケットを買い バスに乗ろうとすると、別の乗客が「今は無料だよ」と教えてくれたのだ。

フライト時刻まで余裕があったので、そのバスは見送り、ダンフェール・ロシュロー駅の窓口に行って 返金を求めたが、「できない」と、応じてくれない。
少し粘って交渉を試みるも、何だか難しいフランス語で まくしたててくる。

「だったら券売機かバスに『今は無料』とキッチリ ハッキリ書いといてくれ!」と言いたかったが、込み入ったことを 強く訴えるには 現在の語学力では難しい。

「ここはフランス、よくあること」。そう自分に言い聞かせ、あきらめた。
(そのチケットはとっておいて、数年後に使った。)


表示、案内の され方は・・・


冒頭の写真は、元日の朝に、メトロ「デュプレックス(Dupleix)」駅 の 改札を撮影したもの。

無料で利用できることを知らせてあるのだが、その案内方法が、オフィシャルであるにもかかわらず「手書きの張り紙」というのが、実に フランス っぽい。


Avancer sans Billet
切符なしで進んでください
Gratuit de 17h au 01/1/11 12h
17時から11年1月1日12時まで無料


このあたりの情報が、目立たず小さく案内されていたり、場所によっては何の表示もなかったり・・・というふうに、とても曖昧な場合が多いので、その年その年、その場その場で、よくよく確認した方がよさそうだ。




【参考サイト】
RATP (パリ交通公社)

2018-01-11

パリでの年越しカウントダウン(シャン・ゼリゼ 編) 【フランス旅】

2015年11月13日に起きたパリ同時多発テロ後、初めて迎えた年越しイベント(シャン・ゼリゼ)に多くの人が集まっている。
Avenue des Champs-Élysées

パリ/イル・ドゥ・フランス/フランス
Paris/Île-de-France/FRANCE


前回、エッフェル塔(La Tour Eiffel)が見える場所や、その辺の道端で迎えるパリでの年越しの様子を紹介し、お祭り騒ぎとなる街に身を置くのは楽しいが、一部の人たちの悪ふざけなどに巻き込まれる危険もあるので注意! と書いた。

しかしこのところ、年越しのイベントに限らず、別のリスクが 大きくクローズアップされ続けている。
テロなどの襲撃を受ける危険である。

そこで今回は、厳戒態勢の中で行われた、シャン・ゼリゼ(Avenue des Champs-Élysées)での カウントダウン・イベントについて記そうと思う。


冒頭写真は、2015年を終え、2016年を迎えたばかりのシャン・ゼリゼ。
2015年11月13日に発生した パリ同時多発テロ事件後、およそ1か月半で迎えた 年越しイベントの様子だ。

今となっては だいぶ記憶が薄らいでいるが、当時は あのテロ事件の影響で、フランスをはじめヨーロッパ各地で 様々なイベントが中止になっていた。
人の大勢集まる場所が、標的にされてしまう恐れがあったからだ。

実は、この年のシャン・ゼリゼでのカウントダウン・イベントも、安全面を考慮して、中止にした方が良いとの声が上がったらしい。
至極もっともな意見ながら、議論の末、「通常通りやる!」となったというから、フランスはすごい。

やるからには、何かが起こってしまっては 元も子もない。
ということで、警備体制もすごい。


「いつも通りやる!」 その覚悟と 厳重な警備体制


シャンゼリゼの年越しカウントダウン・イベントはテロを警戒し厳重な警備体制がしかれている。

実は、私、何度かパリで年越しをしているけれど、シャン・ゼリゼでのカウントダウン・イベントに参加するのは、恥ずかしながら、この年(2015年から2016年にかけて)が初めてだった。

人混みが苦手ということもあり、どうせ大勢の人でごった返しているに違いないと、それまでは避けていた。
しかし この年は、あの衝撃的なテロ事件のあとだから、参加者が少ないだろうと勘ぐり 出かけてみたのだ。

・・・ところが ドッコイ。

群衆が シャン・ゼリゼに押し寄せている。
みんな、テロとか・・・怖くないの? もっと緊張感を持った方がイイんじゃないの?
「人が集まる場所は避けるように!」って、散々言われてるでしょーが。。。と、自分のことは棚に上げ、思わず問いかけてしまうほどの人、人、人。

おそらく 例年と違うのは、この厳重な警備体制。
いつもはスルーで入れたであろう場所に幾重にもバリケードが敷かれ、持ち物検査、ボディチェックを それぞれ複数回受ける。

通常は見逃されるはずの、シャンパンなどのボトル類の持ち込みも、今年は即 没収。

もちろん この国に DJポリス などいない。
キチンと列を作ることなく 狭い入り口付近にごった返す人々を、一人一人チェックする おまわりさんたちは、本当に大変だったと思う。

事故や襲撃など、万が一のことも考えねばならないし、危険人物を見逃してしまうミスは許されないので、その緊張感は半端ないことだろう。

この時、私は、妻や友人たちと一緒にいたのだが、
数日前に 日本からフランスに着き 合流したばかりの妻が、カバンの中に、塩せんべいを数枚忍ばせていて、荷物検査をしている警官が、流れ作業のように人々のカバンを次から次へとチェックしているなかで、彼女のカバンの中の 塩せんべい を見つけ、「ボナペティ!(Bon Appetit !)」と サラリと言い、ウインクまでしてくれたと、楽しそうに語ってくれた。

高次元の緊張の中でも 彼らが持ち合わせている 余裕 というか ユーモア というか・・・、
真面目一辺倒になり過ぎず、こちらの心を チョイっ と くすぐるような態度や一言。
リスクを覚悟した上で体制を整え「いつも通りやる!」と決めたこの国の すごさ、カッコよさを 表しているように感じる。


イベントの内容としては、主として 凱旋門に投影されるプロジェクションマッピングと、それによるカウントダウン。
年越しの瞬間は 参加者が一体となって最高潮に盛り上がる。

私としては、本当に大勢の人が参加した盛大なイベントのように思えたのだが、それでも例年と比べると、訪れた人の数は少なかった模様。
また、いつもは実施されるはずの、花火などの派手な演出も控えられていたせいか、通常の様子を知る人によれば、この年は 若干あっけなく終了したふうに感じたようだ。


【参考サイト】
フランス観光開発機構(2015年しめくくりイベント)
RATP (パリ交通公社)

2018-01-01

パリの大晦日/危なそうな人たちの大騒ぎを避け、夜空に深く浮かび上がるエッフェル塔のキラキラを 【フランス旅】

お正月の深夜1時のエッフェル塔のキラキラを、パリの西側、ビル・アケム橋から眺める。

パリ/イル・ドゥ・フランス/フランス
Paris/Île-de-France/FRANCE

暗闇に光が放たれると歓声があがった
人は 人が どうすれば喜ぶかを 知っている
誰もが 喜びと安らぎに包まれ 過ごせますように・・・
新年 おめでとうございます


日没から午前1時までの 毎オクロック・タイム(例えば 夜9時ちょうど、など)に、5分間だけ演出されるエッフェル塔(La Tour Eiffel)の キラキラ・ライトアップは有名だが、午前1時のキラキラだけは 他の時間帯と一味違う。

午前0時までのキラキラは、パリに滞在しているあいだ 時折 目にすることがあり 比較的お馴染みだが、午前1時のキラキラについては、普段 深夜まで外出していることがほとんどないため、あまり目にすることがない。

しかし、大晦日にパリに滞在している際は、この一味違うキラキラを鑑賞する 絶好のチャンスとなる。

年越しのイベントやら何やら、深夜に至るまで多くの人たちが街なかに出ているため、普段より安心して外にいることができるからだ。

午前1時のキラキラが、他の時間帯のキラキラとどう違うか。。。と、それを説明する前に、まずはパリの年越しの様子を紹介したく、詳細は別の回に記すことにする。


お祭り気分の街は 遅くまで人で溢れている、しかし・・・


パリの大晦日、多くの人がお酒を飲みながら街を歩いている。

大晦日のパリは 夜中まで町に人がいるため、普段より安心感がある、と前述したが、
普段の深夜時間帯の人気(ひとけ)のない状態と比べ、あくまでも「人がいる」ことによる安心感ということで、決して 気をユルユルにしてはいけない。

というのも、そこには 別の危険があるからだ。

新年を迎えるお祝いに乗じて、バカ騒ぎをしている集団や、既に酔っぱらって他人にちょっかいを出している人たちも結構いるのだ。

もちろん、周りに迷惑をかけることなく、特別の日だからと いつもより面白可笑しく、明るく飲んでいるだけの 善良なグループもたくさんある。

アベック、、、失礼、カップルも、数えきれないほど、その辺に たくさんいる。
外国人旅行者も大勢いる。
場所によっては、たくさんの屋台(クレープ や ホットドッグ、ケバブサンド など)が出ている。

大晦日の深夜、街に出向くと、そんな中に身を投じることになる。
危険はあれど、お祭りの中に入るようで、楽しいことは楽しい。


いよいよ カウントダウンが始まり・・・


さて、、、このあとは ある年の、パリのある場所(セーヌ河沿いの道)での、あくまでも「一個人の体験」という認識で読んでいただきたい。


午前0時がせまってくると、どこからともなくカウントダウンが始まり、年越しと同時に、あちこちで「乾杯~!」。

エッフェル塔の、午前0時のキラキラが始まり、歓声が上がる。
何台もの車のクラクションが 狂ったように鳴り響く。箱乗りをして意味不明なことを叫んでいる若者もいる。
ブンブンいいながら、暴走族みたいな集団もやってくる。

ヒュ~~~パン! ロケット花火を打ち上げる若者がいる。
肩を組んで歌い出す おじさん おばさんの集団がある ♫。
カップルは周りを気にせず、熱~くチューをしている ♡。

誰彼となく「Bonne année !(新年おめでとう!)」と握手を交わしたり、ハグをし合ったりすることもある。

何となくの雰囲気で、通りすがりのムッスュと bise(ビズ)をすることもある。ムッスュの髭のジョリ感が、その後しばらく両頬に残る。


お祭り騒ぎのこの日、セーヌ河岸に降りるのは危険


年越しを迎えたパリ、セーヌ河岸。シャンパンの空き瓶がそこここに放置されている。

このとき、より雰囲気の良い場所で新年を祝おうと、セーヌ河岸に降りるのは危険だ。

乾杯を終えたシャンパンなどの空き瓶を、橋の上や 道路がある高いところから、セーヌ河岸の低いところに向けて投げ捨てている輩がいるのだ。

瓶の割れる「ガシャーン!」の音に快感を覚え、その音を聞いて盛り上がっている者や、瓶を無造作に投げ、それが犯罪になると分かっているのだろう、すぐその場から逃げ、身を隠す者たちもいる。

別の年の年越し時にも、違う場所で 幾度か 同じ光景を見たことがあるので、これは その時だけの不埒な悪行ではないと思われる。

彼らにとっては ちょっとしたイタズラのつもりだろうが、もし あれが人に当たれば、間違いなく怪我を負う。

宴のあとの空き瓶はあちこちに置きっぱなしにされているし、路面にも散乱しており、彼らの悪ふざけの材料が、そこらじゅうにあることになる。

夜中でも 人が大勢いる という安心感はあれど、一部のヘンな輩が お祭り騒ぎに乗じて とんでもないことをしでかす危険もあり、巻き込まれる恐れもある。
十分な注意が必要だ。


・・・で、この日は ついでに 午前1時まで待ってみる


普段のパリでは、深夜1時に街なかにいることは、戒められる行動だ。

しかし、ここまで記してきたように、この日は、人が大勢 出歩いていることから、いろいろ気をつけながら、夜中でも外にいることができる。
(※ただし、女性一人で、というのはおすすめしません。)

そこで、無理がなければ、新年を外で迎えたついでに 午前1時のエッフェル塔のキラキラを鑑賞したい。

場所は、シャン・ド・マルス(Champ de Mars)や トロカデロ広場(Place du Trocadéro)、16区の ニュー・ヨーク通り(Avenue de New York)辺り、ビル・アケム橋(Pont de Bir-Hakeim)などがおすすめだが、少し離れた場所で眺めるのも よいと思う。

お正月の深夜1時のエッフェル塔のキラキラを、パリの西側、ビル・アケム橋から眺める。
深夜1時のエッフェル塔のキラキラ
<2011年1月1日 午前1時に撮影>

午前1時のキラキラに関して、実は、「地味で今ひとつだった」という印象を持つ人もいるようなので、絶対のおすすめ! とまでは言えないが、私は、ちょっと寂しげにも見える この午前1時バージョンのキラキラが好きだ。

夜空をバックに、深く ポッと浮かび上がる、その感じがイイ。

もし大晦日にパリへ訪れることがあり、ご興味があれば、寒さ対策と 安全に十分気をつけた上で、また、賛否色々意見があることをご承知の上で、ご覧いただきたい。

年末年始はメトロ(地下鉄)が無料


・・・あ、それから 念のため。。。
その後、メトロ(地下鉄)は無料で利用できるが、エッフェル塔周辺の駅はビックリするくらい混むので(入場制限される場合もある)、可能であれば、予めエッフェル塔近くの鑑賞地点を決めておき、そこから歩いて帰れる距離に 宿をとっておくのが好いと思う。

もちろん、ホテルの部屋から眺められるなら、最も安心安全で、寒さ対策にもなり、それに越したことはない。
ただ、その場合には、宿代が少々高くついたり、盛り上がる街の雰囲気を味わえないといった 若干の寂しさが残るかもしれない。。。



【参考サイト】
Site officiel de la tour Eiffel (エッフェル塔 公式サイト)
RATP (パリ交通公社)

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