2018-01-11

パリでの年越しカウントダウン(シャン・ゼリゼ 編) 【フランス旅】

2015年11月13日に起きたパリ同時多発テロ後、初めて迎えた年越しイベント(シャン・ゼリゼ)に多くの人が集まっている。
Avenue des Champs-Élysées

パリ/イル・ドゥ・フランス/フランス
Paris/Île-de-France/FRANCE


前回、エッフェル塔(La Tour Eiffel)が見える場所や、その辺の道端で迎えるパリでの年越しの様子を紹介し、お祭り騒ぎとなる街に身を置くのは楽しいが、一部の人たちの悪ふざけなどに巻き込まれる危険もあるので注意! と書いた。

しかしこのところ、年越しのイベントに限らず、別のリスクが 大きくクローズアップされ続けている。
テロなどの襲撃を受ける危険である。

そこで今回は、厳戒態勢の中で行われた、シャン・ゼリゼ(Avenue des Champs-Élysées)での カウントダウン・イベントについて記そうと思う。


冒頭写真は、2015年を終え、2016年を迎えたばかりのシャン・ゼリゼ。
2015年11月13日に発生した パリ同時多発テロ事件後、およそ1か月半で迎えた 年越しイベントの様子だ。

今となっては だいぶ記憶が薄らいでいるが、当時は あのテロ事件の影響で、フランスをはじめヨーロッパ各地で 様々なイベントが中止になっていた。
人の大勢集まる場所が、標的にされてしまう恐れがあったからだ。

実は、この年のシャン・ゼリゼでのカウントダウン・イベントも、安全面を考慮して、中止にした方が良いとの声が上がったらしい。
至極もっともな意見ながら、議論の末、「通常通りやる!」となったというから、フランスはすごい。

やるからには、何かが起こってしまっては 元も子もない。
ということで、警備体制もすごい。


「いつも通りやる!」 その覚悟と 厳重な警備体制


シャンゼリゼの年越しカウントダウン・イベントはテロを警戒し厳重な警備体制がしかれている。

実は、私、何度かパリで年越しをしているけれど、シャン・ゼリゼでのカウントダウン・イベントに参加するのは、恥ずかしながら、この年(2015年から2016年にかけて)が初めてだった。

人混みが苦手ということもあり、どうせ大勢の人でごった返しているに違いないと、それまでは避けていた。
しかし この年は、あの衝撃的なテロ事件のあとだから、参加者が少ないだろうと勘ぐり 出かけてみたのだ。

・・・ところが ドッコイ。

群衆が シャン・ゼリゼに押し寄せている。
みんな、テロとか・・・怖くないの? もっと緊張感を持った方がイイんじゃないの?
「人が集まる場所は避けるように!」って、散々言われてるでしょーが。。。と、自分のことは棚に上げ、思わず問いかけてしまうほどの人、人、人。

おそらく 例年と違うのは、この厳重な警備体制。
いつもはスルーで入れたであろう場所に幾重にもバリケードが敷かれ、持ち物検査、ボディチェックを それぞれ複数回受ける。

通常は見逃されるはずの、シャンパンなどのボトル類の持ち込みも、今年は即 没収。

もちろん この国に DJポリス などいない。
キチンと列を作ることなく 狭い入り口付近にごった返す人々を、一人一人チェックする おまわりさんたちは、本当に大変だったと思う。

事故や襲撃など、万が一のことも考えねばならないし、危険人物を見逃してしまうミスは許されないので、その緊張感は半端ないことだろう。

この時、私は、妻や友人たちと一緒にいたのだが、
数日前に 日本からフランスに着き 合流したばかりの妻が、カバンの中に、塩せんべいを数枚忍ばせていて、荷物検査をしている警官が、流れ作業のように人々のカバンを次から次へとチェックしているなかで、彼女のカバンの中の 塩せんべい を見つけ、「ボナペティ!(Bon Appetit !)」と サラリと言い、ウインクまでしてくれたと、楽しそうに語ってくれた。

高次元の緊張の中でも 彼らが持ち合わせている 余裕 というか ユーモア というか・・・、
真面目一辺倒になり過ぎず、こちらの心を チョイっ と くすぐるような態度や一言。
リスクを覚悟した上で体制を整え「いつも通りやる!」と決めたこの国の すごさ、カッコよさを 表しているように感じる。


イベントの内容としては、主として 凱旋門に投影されるプロジェクションマッピングと、それによるカウントダウン。
年越しの瞬間は 参加者が一体となって最高潮に盛り上がる。

私としては、本当に大勢の人が参加した盛大なイベントのように思えたのだが、それでも例年と比べると、訪れた人の数は少なかった模様。
また、いつもは実施されるはずの、花火などの派手な演出も控えられていたせいか、通常の様子を知る人によれば、この年は 若干あっけなく終了したふうに感じたようだ。


【参考サイト】
フランス観光開発機構(2015年しめくくりイベント)
RATP (パリ交通公社)

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