ラグーサ/シチリア/イタリア
Ragusa/Sicilia/ITALIA
20年ほど前。表紙の写真を見て、「いつか、ここへ行ってみたい」と ジャケ買いした本があった。
(詳細は前回記事をお読みください。また、この記事を書いているのは2018年です。)
その本を購入してから、おそらく 7~8年ほど経った ある年の 12月31日、夜。
私は ラグーサから20kmほど離れた、モディカ(Modica)近郊のアグリトゥーリズモ(Agriturismo)で、他の宿泊者の方たちと一緒に 夕食を摂っていた。
大晦日である この日の夕食は、いつもより豪勢。
宿泊客の多くは、これまたいつもと違い、エレガントな装いで食堂に集まっている。
子供たちを含めると20人以上は いたと思う。
私たち夫婦以外は 全員がイタリア人。とても賑やかだった。
ひとしきり盛り上がった食事会が終わると、皆でゲーム大会をすると言う。
仕切り屋アンジェロ(Angelo/宿泊客の一人、おじさんの名前です)の誘いのまま、別棟にあるサロンへと向かう。
実のところ、私は、翌朝早くにラグーサへ向かい、たっぷり時間をとって散策しようと考えていたので、今宵は早めに切り上げるつもりだった。
「明日、ラグーサに行くので、早く寝なきゃ」
「大丈夫。ラグーサはすぐそこ。逃げたりしない。でも、今日の夜は、今夜しかないんだ。楽しまなきゃ」
う、うまいコト 言うなぁ。。。
アンジェロの人懐っこい語り口と、皆の楽し気な雰囲気にのせられ、ビンゴゲームや、よく意味の解らないゲームに参加することになり、結果、かなりの夜更かしをしてしまう。
・・・ということで、翌日、ラグーサに着いたときには もうお昼。
冬のヨーロッパは日が短い。帰りの道のりを考えれば散策時間は 賞味 3、4時間ほどか。。。
時間がない。すぐにあの場所へ行こう。
あの本の、表紙の写真が撮られた場所へ――。
その場所へと訪れ、ただそこに立っただけなのに、小さな目標を一つ達成したような、そんな思いが湧いてきたことを思い出す。
しばらく ボーッ と眺めていた。
本の表紙写真と同じアングルで 撮影してみたが、あの本のように 趣ある風には撮れなかった。(冒頭写真)
年月を経ているせいもあるだろうし、もちろん 撮影時刻や 写真テクニックの問題もあるだろう。
しかも、その場に立って目にした風景は、あの 少し暗く 寂れた、畏怖をも 感じさせるようなものではなかった。
例えるなら、忍耐強く 時代と折り合いをつけてきた、温厚で朴訥、壮大な 田舎の都市。
もちろん、そこにマフィアなどいない。
感慨深げに佇んでいる私と出会ったのは、黒いサングラスをした マフィアの親分・・・ではなく、黒いサングラスをした 一人の 普通の おじさん だった。
≪ 更に つづく ≫
(詳細は前回記事をお読みください。また、この記事を書いているのは2018年です。)
その本を購入してから、おそらく 7~8年ほど経った ある年の 12月31日、夜。
私は ラグーサから20kmほど離れた、モディカ(Modica)近郊のアグリトゥーリズモ(Agriturismo)で、他の宿泊者の方たちと一緒に 夕食を摂っていた。
大晦日である この日の夕食は、いつもより豪勢。
宿泊客の多くは、これまたいつもと違い、エレガントな装いで食堂に集まっている。
子供たちを含めると20人以上は いたと思う。
私たち夫婦以外は 全員がイタリア人。とても賑やかだった。
ひとしきり盛り上がった食事会が終わると、皆でゲーム大会をすると言う。
仕切り屋アンジェロ(Angelo/宿泊客の一人、おじさんの名前です)の誘いのまま、別棟にあるサロンへと向かう。
実のところ、私は、翌朝早くにラグーサへ向かい、たっぷり時間をとって散策しようと考えていたので、今宵は早めに切り上げるつもりだった。
「明日、ラグーサに行くので、早く寝なきゃ」
「大丈夫。ラグーサはすぐそこ。逃げたりしない。でも、今日の夜は、今夜しかないんだ。楽しまなきゃ」
う、うまいコト 言うなぁ。。。
アンジェロの人懐っこい語り口と、皆の楽し気な雰囲気にのせられ、ビンゴゲームや、よく意味の解らないゲームに参加することになり、結果、かなりの夜更かしをしてしまう。
・・・ということで、翌日、ラグーサに着いたときには もうお昼。
冬のヨーロッパは日が短い。帰りの道のりを考えれば散策時間は 賞味 3、4時間ほどか。。。
時間がない。すぐにあの場所へ行こう。
あの本の、表紙の写真が撮られた場所へ――。
寂れではなく、温厚で朴訥。
その場所へと訪れ、ただそこに立っただけなのに、小さな目標を一つ達成したような、そんな思いが湧いてきたことを思い出す。
しばらく ボーッ と眺めていた。
本の表紙写真と同じアングルで 撮影してみたが、あの本のように 趣ある風には撮れなかった。(冒頭写真)
年月を経ているせいもあるだろうし、もちろん 撮影時刻や 写真テクニックの問題もあるだろう。
しかも、その場に立って目にした風景は、あの 少し暗く 寂れた、畏怖をも 感じさせるようなものではなかった。
例えるなら、忍耐強く 時代と折り合いをつけてきた、温厚で朴訥、壮大な 田舎の都市。
もちろん、そこにマフィアなどいない。
感慨深げに佇んでいる私と出会ったのは、黒いサングラスをした マフィアの親分・・・ではなく、黒いサングラスをした 一人の 普通の おじさん だった。
≪ 更に つづく ≫
【 行き方 】
・カターニアからバスで、約2時間
・シラクーサから鉄道で、約2時間~2時間15分
【主な見どころ】
・Cattedrale di San Giovanni Battista (サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂)
・Duomo di San Giorgio (サン・ジョルジオ大聖堂)
・Chiesa di Santa Maria delle Scale (サンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会 と そこからの眺め)
・Giardino Ibleo (イブレオ庭園)
・Ragusa Ibla e Ragusa Superiore (イブラ地区とスペリオーレ地区の街歩き)
・その他にも美しい教会、建造物など 見どころがある。
【 参考サイト 】
・Comune di Ragusa (ラグーサ市)
・ETNA TRASPORTI (エトナ交通/バス会社)
・TRAINITALIA (イタリア鉄道)
・Trenitalia 代理店 (イタリア鉄道検索/日本語版)