Ragusa/Sicilia/ITALIA
1990年代後半にジャケ買いした本『シチリアへ行きたい』(とんぼの本/新潮社 刊/著・小森谷慶子さん、小森谷賢二さん)の表紙の写真に掲載されている町「ラグーサ」。
「いつかここへ行ってみたい」との思いを 静かぁ~に温め、2007年1月1日、訪れた。
そんな ちょっとした思い入れのある町でもあり、それに このゴチャゴチャっとした感じの町を散策するのが大好きなので、たっぷり時間をとって街を見て回ろうと、当初は思っていたが、何や かんや あり、到着した時には もう すっかりお昼。
(何や かんや の詳細については、前回記事をどうぞ。)
旅の行程の関係で、モディカ(Modica)郊外にとっていた宿へ、暗くなる前に帰らねばならないことを考えると、散策時間は、昼食に充てる時間を含めて、賞味 3、4時間となる。
ラグーサに到着して すぐ、その本の表紙写真が撮られた場所へと向かう。
そこで 持参してきた本を取り出し、実際の景色と見比べたり、写真を撮ったりしていると、一人の おじさんに声をかけられた。
「何か 探してるの?」
私が本を開いて その場をウロウロしていたので、迷っていると 思ったようなのだ。
街なかで 知らない人に声をかけられたとき、まずは警戒する。
が、その必要はないなぁ、という時も もちろんあって、それは すぐにわかる場合が多い。
この時もそうだった。
白髪混じりの頭に コッポラ(シチリアの伝統的な帽子)を被り、ダークグレーの大き目のジャンバーを着た 普通のおじさん。
いや、失礼ながら、お爺さんと言ってもよい お歳かもしれない。
黒いサングラスをしているが、いかつい感じは 全くなく、穏やかに話す。
イタリア人特有の、妙に陽気な 軽~い 素振りもない。
「いえ、迷っているわけではないんです」私は手に持っていた本を見せた。
「あぁ、この場所。いいよね」おじさんは 頷いた。
彼は この街の住人だった。
そして、「ここからの眺めも美しいけれど、もう一ついい場所がある。よければ案内するが・・・」と言う。
時間がない私は「遠いですか(時間がかかりますか)?」と聞いた。
「いや、そんなでもないよ」
私は、彼について行くことにした。
おじさん は、名前を「ジョヴァンニ(Giovanni)さん」といった。
上の名前(姓)も伺い、ご年配の方なので、スィニョール◯◯(Signor ◯◯)と呼ぶと、「ジョヴァンニでいい」と言う。
儒教精神の ある程度強い日本で育った私には、目上の、しかもご年配の方のファーストネームを 呼び捨てで呼ぶ、というのは 正直 抵抗がある。
しかし、年配者の方から 下の名前で呼ぶように言われることは イタリアでは よくある体験で、相手がそう望むならと、呼んでいるうち、年齢差を越えて 親しくなれた気になってくる。
ジョヴァンニさんも 私をファーストネームで呼び、一時的ながら 年の離れた友人のような関係になっていた。
(日本では「下」の名前と呼ばれるのに、西洋の多くの国では「ファースト」ネームとなる。何だか面白いですね。)
「日本か。私は 行ったことはないけれど、よく知ってるよ。とてもいい国だよね」
「ありがとうございます」
「トーキョー、オーサカ・・・」
「そうです、そうです」
「住んでいる町は、どこ?」
「ヨコハマです」(この当時、私は横浜に住んでいました。)
「ヨコ・・・」
「横浜。東京の隣町です」
トツトツと互いに会話を繋ぎながら、ジョヴァンニさんに連れて行っていただいた場所。
そこから眺めた景色が 冒頭の写真だ。
≪ つづく ≫
【 参考サイト 】
・Comune di Ragusa (ラグーサ市)
・ETNA TRASPORTI (エトナ交通/バス会社)
・TRAINITALIA (イタリア鉄道)
・Trenitalia 代理店 (イタリア鉄道検索/日本語版)
「いつかここへ行ってみたい」との思いを 静かぁ~に温め、2007年1月1日、訪れた。
そんな ちょっとした思い入れのある町でもあり、それに このゴチャゴチャっとした感じの町を散策するのが大好きなので、たっぷり時間をとって街を見て回ろうと、当初は思っていたが、何や かんや あり、到着した時には もう すっかりお昼。
(何や かんや の詳細については、前回記事をどうぞ。)
旅の行程の関係で、モディカ(Modica)郊外にとっていた宿へ、暗くなる前に帰らねばならないことを考えると、散策時間は、昼食に充てる時間を含めて、賞味 3、4時間となる。
ラグーサに到着して すぐ、その本の表紙写真が撮られた場所へと向かう。
そこで 持参してきた本を取り出し、実際の景色と見比べたり、写真を撮ったりしていると、一人の おじさんに声をかけられた。
「何か 探してるの?」
私が本を開いて その場をウロウロしていたので、迷っていると 思ったようなのだ。
街なかで 知らない人に声をかけられたとき、まずは警戒する。
が、その必要はないなぁ、という時も もちろんあって、それは すぐにわかる場合が多い。
この時もそうだった。
白髪混じりの頭に コッポラ(シチリアの伝統的な帽子)を被り、ダークグレーの大き目のジャンバーを着た 普通のおじさん。
いや、失礼ながら、お爺さんと言ってもよい お歳かもしれない。
黒いサングラスをしているが、いかつい感じは 全くなく、穏やかに話す。
イタリア人特有の、妙に陽気な 軽~い 素振りもない。
「いえ、迷っているわけではないんです」私は手に持っていた本を見せた。
「あぁ、この場所。いいよね」おじさんは 頷いた。
彼は この街の住人だった。
そして、「ここからの眺めも美しいけれど、もう一ついい場所がある。よければ案内するが・・・」と言う。
時間がない私は「遠いですか(時間がかかりますか)?」と聞いた。
「いや、そんなでもないよ」
私は、彼について行くことにした。
おじさん は、名前を「ジョヴァンニ(Giovanni)さん」といった。
上の名前(姓)も伺い、ご年配の方なので、スィニョール◯◯(Signor ◯◯)と呼ぶと、「ジョヴァンニでいい」と言う。
儒教精神の ある程度強い日本で育った私には、目上の、しかもご年配の方のファーストネームを 呼び捨てで呼ぶ、というのは 正直 抵抗がある。
しかし、年配者の方から 下の名前で呼ぶように言われることは イタリアでは よくある体験で、相手がそう望むならと、呼んでいるうち、年齢差を越えて 親しくなれた気になってくる。
ジョヴァンニさんも 私をファーストネームで呼び、一時的ながら 年の離れた友人のような関係になっていた。
(日本では「下」の名前と呼ばれるのに、西洋の多くの国では「ファースト」ネームとなる。何だか面白いですね。)
「日本か。私は 行ったことはないけれど、よく知ってるよ。とてもいい国だよね」
「ありがとうございます」
「トーキョー、オーサカ・・・」
「そうです、そうです」
「住んでいる町は、どこ?」
「ヨコハマです」(この当時、私は横浜に住んでいました。)
「ヨコ・・・」
「横浜。東京の隣町です」
トツトツと互いに会話を繋ぎながら、ジョヴァンニさんに連れて行っていただいた場所。
そこから眺めた景色が 冒頭の写真だ。
≪ つづく ≫
【 行き方 】
・カターニアからバスで、約2時間
・シラクーサから鉄道で、約2時間~2時間15分
【主な見どころ】
・Cattedrale di San Giovanni Battista (サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂)
・Duomo di San Giorgio (サン・ジョルジオ大聖堂)
・Chiesa di Santa Maria delle Scale (サンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会 と そこからの眺め)
・Giardino Ibleo (イブレオ庭園)
・Ragusa Ibla e Ragusa Superiore (イブラ地区とスペリオーレ地区の街歩き)
・その他にも美しい教会、建造物など 見どころがある。
・カターニアからバスで、約2時間
・シラクーサから鉄道で、約2時間~2時間15分
【主な見どころ】
・Cattedrale di San Giovanni Battista (サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂)
・Duomo di San Giorgio (サン・ジョルジオ大聖堂)
・Chiesa di Santa Maria delle Scale (サンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会 と そこからの眺め)
・Giardino Ibleo (イブレオ庭園)
・Ragusa Ibla e Ragusa Superiore (イブラ地区とスペリオーレ地区の街歩き)
・その他にも美しい教会、建造物など 見どころがある。
・Comune di Ragusa (ラグーサ市)
・ETNA TRASPORTI (エトナ交通/バス会社)
・TRAINITALIA (イタリア鉄道)
・Trenitalia 代理店 (イタリア鉄道検索/日本語版)