2018-03-21

ラグーサで出会った「ジョヴァンニさん」に連れて行ってもらった場所 ② 【イタリア旅】

碁盤の目状に道が走る、新市街「ラグーサ・スペリオーレ」を案内してくれる「ジョヴァンニさん」
ラグーサ・スペリオーレを案内してくれる「ジョヴァンニさん」

ラグーサ/シチリア/イタリア
Ragusa/Sicilia/ITALIA


「ラグーサには『上の街』と『下の街』がある。私たちが 今いるのが『ラグーサ・スペリオーレ』。眼下に見えるのが『ラグーサ・イブラ』」

案内してくれた絶景ポイントから、「イブラ地区」を眺めながら、ジョヴァンニさんが いろいろ教えてくれる。

上の街「ラグーサ・スペリオーレ」から 下の街「ラグーサ・イブラ」を眺める。
上の街「ラグーサ・スペリオーレ」から
下の街「ラグーサ・イブラ」を眺める

私も そのへんのことは、前もって調べていて、たまたま知っていたので、ゆったりとしたイタリア語の説明を何となく理解できた。

それで、私が ふんふんと頷くものだから、親切なジョヴァンニさんは 更に詳しい説明をしてくれる。

・・・が、もちろん内容が複雑になれば、理解は難しくなる。
その後、町の成り立ちや、1693年の大地震を境に・・・みたいなことを、詳しく話してくださったのだが、全てを理解することはできず、きっとこういうことをおっしゃっているのだろうなぁ と、あとで本を読み返し 推測した。

「お昼は 食べたの?」ジョヴァンニさんが言う。
「まだ なんです」
「今日は、カポダンノ(Capodanno/元日)だから、お店は ほとんど休みかもしれないなぁ」
「そうか・・・そうですよね。。。」(私は当時、こういうことを全く考えずに旅をしていました。今もそれに近いですが・・・)
「時間ある?」
「実は、まだ到着したばかりで・・・このあと下の街も見たいんです」
「そう。じゃ、ちょっとついておいで」
ジョヴァンニさんは そう言って歩き出した。(↑冒頭写真がそのときの様子です。)

ラグーサを代表する建築様式「バロック」の彫刻が施されたバルコニー
ジョヴァンニさんが案内してくれた建物の一つ
バロック様式の彫刻が施されている

ジョヴァンニさんは、いくつかの象徴的建造物の前で 時折 立ち止まり、建物の特徴(彫刻など)を紹介しながら、どんどん進んでゆく。
どうやら、スペリオーレ地区を サラッと案内してくれようとしているのだ。

途中、靴職人をされているというご友人(ビシッとスーツを着たおじいちゃん)と出会い、すぐ近くだからと 工房(その日はお休み)を見せていただいた。

あまり広くない部屋に、制作途中の靴、木型、革、道具などがギッシリ並ぶ。
この小さな空間で 靴を1足1足創ったり、修理したりするのだという。
大量生産の靴しか知らなかった私は、小さな作業場の濃密さに あっけにとられた。

工房を出てしばらくして、また どなたかと出会った。
「Ciao! Come stai ?」(やあ、元気かい?)
親し気にバーチョ(頬にキス)をするジョヴァンニさん。

ラグーサで出会ったジョヴァンニさんと弟さん

誰なんだろう・・・と思っていると、ジョヴァンニさんが言った。「弟だよ」
「ほら、日本からの友人だ」
「こんにちは」
「Ciao ! ラグーサへようこそ」と 弟さん。
その勢いでバーチョする私たち。。。


最後に着いたのは、ただの広場


その後、弟さんと別れて更に進む。
着いたのは、駐車場になっている ただの広場。

そこにいた 三輪の軽トラックを停めている おじいさんに、ジョヴァンニさんが話しかける。
すると、おじいさんの後ろにいた おばさんが何やら言ってくる。
しばらく 3人のやり取りを聞いていて、その内容がわかった。

三輪軽トラックのおじいさんは、手作りのリコッタチーズを売りに来ているおじいさんで、ジョヴァンニさんは、彼のリコッタを 私たちに食べさそうと考えていたようなのだ。

リコッタ屋さんに声をかけると、「ちょうど今、売り切れてしまった」との返事。
すると、今買ったばかりの おばさんが、「じゃ、私が注文した(2本のうち)1本上げるわ」と言ってくれたのだ。

・・・ということで、私は、三輪軽トラックの おじいさんが作ったリコッタを、先客のおばさんに譲っていただき、それを ジョヴァンニさんに買ってもらい、いただくことになった。

ラグーサの広場で手作りリコッタチーズを売るおじいさん
移動販売の手作りリコッタ屋さん

リコッタ屋さんは、まるで 昔の日本で言うところの、町に売りに来る豆腐屋さんのよう。とても懐かしい感じがした。

おそらく木製の、ちょっと変わった巻物みたいな入れ物から、細長い自家製リコッタを にゅっと出し、銀紙にくるんで ホイッ と渡してくれる。
「わお、こんなの初めて見たぁ!」

味の方も、ん~何だろう、もちろん とても美味しいのだけれど、
それだけでなく、雰囲気の懐かしさや、ラグーサで出会った皆さんの さりげない親切が染み込んでいる感じがして、一口食べる毎に、爽やか~な甘みが、じんわり、柔らか~く、口中に拡がるのでした。



【 行き方 】
・カターニアからバスで、約2時間
・シラクーサから鉄道で、約2時間~2時間15分

【主な見どころ】
・Cattedrale di San Giovanni Battista (サン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂)
・Duomo di San Giorgio (サン・ジョルジオ大聖堂)
・Chiesa di Santa Maria delle Scale (サンタ・マリア・デッレ・スカーレ教会 と そこからの眺め)
・Giardino Ibleo (イブレオ庭園)
・Ragusa Ibla e Ragusa Superiore (イブラ地区とスペリオーレ地区の街歩き)
・その他にも美しい教会、建造物など 見どころがある。

【 参考サイト 】
Comune di Ragusa (ラグーサ市)
ETNA TRASPORTI (エトナ交通/バス会社)
TRAINITALIA (イタリア鉄道)
Trenitalia 代理店 (イタリア鉄道検索/日本語版)

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