2018-05-11

ゴールデンウイークの「大内宿」は観光客でいっぱい! それでも・・・ 【日本旅】

ゴールデンウイークの大内宿。鯉のぼりと茅葺屋根の民家が並ぶ美しい景観。
GW朝9時過ぎの大内宿。まだ混雑は見られないが、既に多くの人たちが訪れている。

大内宿/福島県/日本
Ouchi-juku/Fukushima/JAPAN


ゴールデンウイークの大内宿は多くの観光客で賑わう。
人の密集度合から「新宿、原宿、大内宿」と戯言で言われるほど、小さな村に、おそらく村の人口の何倍もの人が押し寄せている。

だが、混雑することがわかっていても、この村のことを何かで知れば、一度は行ってみたくなるのが ここ「大内宿」なのだ。

保存状態のよい茅葺屋根の民家が立ち並び、江戸時代の宿場町として栄えていた当時の景観が今なお守られている。

渋滞、混雑などは仕方がないと 覚悟を決め、行ってみる価値はある。


それでもやや緩和された渋滞


実は少し前まで、この地へのアクセスを色々調べてみると、
観光シーズンは国道118号線や121号線が激しく渋滞するので云々と、混雑状況について、そら恐ろしいことが書かれていた。

しかし現在(2018年5月)、「大内宿観光協会」のHPによると、「駐車場が増設され、以前に比べ渋滞が緩和された」ということらしい。

それでも そこはゴールデンウイーク、道は混むに違いないと、私はあえて午後ゆっくりめに村へ着くようスケジュールを組んでいた。

が・・・あまかった。
幸い国道121号に渋滞はなかったものの、湯野上温泉駅のあたりから西へ向かう県道329号が依然渋滞していた。
ここから大内宿まで約4~5㎞。通常ならば車で10分かからないくらいの道程だ。
その一本道をおよそ1時間かけて進んで行く。

村の入り口に着く手前の道路脇に、大きな駐車場が複数あった。
これがおそらく新設された駐車場だろう。駐車場それぞれの面積は、村より広いと思われる。それら全てが、ほぼ満車状態なのだ。

観光バスが数台停まっており、車やバイクもたくさん並んでいる。
それぞれの駐車場から村へと歩く人の流れは、明らかに大型観光地の様相を呈していた。


宿泊予約はお早めに!


多くの観光客で賑わう、大内宿のお土産物屋さん。

民家の多くは「土産物屋」や「蕎麦屋」をやっている。
宿場町なのだから「旅籠(宿)」が多くありそうなものだが、現在、民宿は3軒しかない。

そのため、村での宿泊を考えるなら、早めに予約しておくことが必要となる。

ちなみに、宿屋が少ないことを、外部の我々がとやかく言うことはできまい。
そこに住まわれる方の老齢化が進むなか、宿の運営は大変な労力が必要なため、業態を変えていった家も多くあったのだろう。

外部の資本を入れて運営すればよいではないかと考えてしまいがちだが、
「売らない・貸さない・壊さない」の憲章を策定するなどし、住民全員で宿場の景観を保つ努力をされているのだ。

私たち一見(いちげん)の訪問者としては、同じようなお土産物屋さんが並んでいるなぁなどと、単純にそんな感想を持ってしまうかもしれないが、
景観保全の義務を全うせねばならない住人の皆さんには、様々な苦労や悩みがあるということを頭の片隅に置いて、村を歩き、人と接するようにしたい。

その上で、ゆっくり、存分に、歴史を感じさせてくれる美しい宿場の景観を、楽しませていただこうではないか。

大内宿の村はずれ。高倉神社へと繋がる道で犬の散歩をする住人の方。
高倉神社へと向かう村はずれの道

大内宿で出会った、とても可愛らしい柴犬や猫たち。
大内宿には柴犬が似合う。そして、のんびり歩き回る猫たちも……。


大内宿の名物「ねぎそば」は食すべきか


大内宿の名物「ねぎそば」は本来「高遠そば」という。
「高遠?・・・あの長野県の高遠?」と疑問に思われる方もおられよう(私もそうでした)。

答えは、「そう、その高遠」となる。

高遠藩主だった保科正之が会津に移封された際、そば職人が同行し、その蕎麦が会津でも広まったためそう呼ばれているらしい。

また 私には もう一つ、蕎麦に関する疑問があった。

長ネギを箸代わりにして蕎麦を食べる図を何かで見て、一度やってみたいなぁと思ってはいたものの、例えば、「蕎麦と長ネギを買って来れば、自宅でもできるのではないか。その場合と 一体何が違うのか?」というものだ。

答えは、「同じ」だそうだ。

しかし、「ねぎそば」で有名な○○屋さんでは、蕎麦が食べやすいよう、あえて曲がったネギを栽培してもらい、仕入れているようなのだ。
確かに、つるんとした真っすぐな長ネギでは、蕎麦は食べ辛い。

観光シーズンの昼時、○○屋さんに入ろうとすると数時間待つことになるという。
私が訪ねた際には、夕方近くにも関わらず、あっさり1時間以上待ちと言われた。

待つのがイヤな人は、お家で「ねぎそば」を試してみるのも よいのかもしれない。

だがやはり、想い出となる食事や体験には、場所や雰囲気が大切な要素となる。

なので もし村に宿泊できるなら、○○屋さんが開店準備を始める午前9時頃に訪れ(季節によって違うかもしれません)、順番待ちのボードに名前を書き込み、しばらく村内を散策したのち、オープン(10時)と同時に入店して食す。これが好いのではないかと思う。

出される蕎麦は至って美味しい。
そして、ネギを齧り、最終的に一本丸ごと食せば、口の中や吐く息は やはりネギ臭~くなってしまうが、これも、この地での 良い思い出となること間違いない。



【参考サイト】
大内宿観光協会
おいでよ!南会津

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