2018-05-21

「大内宿」の夜と朝。往時の景観を残す町並みに一人ポツンとできるのがイイ! 【日本旅】

大内宿、蕎麦屋の「三澤屋」さんの家屋、月夜の風景。

大内宿/福島県/日本
Ouchi-juku/Fukushima/JAPAN


「・・・でも、夜と朝の景色はおすすめです。何故なら、泊まった人しか見られない景色だから」

品数も多く一品一品それぞれがとても美味しい、大満足の夕食を終えた私たちが、「外の景色を見たい」と言ったのに対し、宿のおかみさんが「外は真っ暗ですけど・・・」と、ちょっと申し訳なさそうに言ったあと、語った言葉だ。

その言葉には、大いに納得し、嬉しさが湧いた。
実は私も、夜と朝の景色を楽しみにしていたからだ。

昼間、たくさんの観光客が大内宿を訪れるが、そのほとんどが、夕方5時を過ぎるころには引き上げてしまう。
そのうえ、前回の記事にも書いたが、現在、宿屋は3軒しかない。
宿泊する訪問客自体が少ないため、夜になると村内は一気にガラ~んとする。

夜間に外出すれば、場合によっては、大内宿を貫く街道の真ん中で、自分一人だけがポツ~ン。。。

これが・・・
これが、とてつもなくイイのだ。

大内宿の夜は人がほとんどいなくなる。寂しげだが美しい風景。

夕餉を終え 一息ついて外へと繰り出す
あたりは真っ暗で 連なる行灯だけが 仄かに道を照らしている
カエルの声が幾重にもこだまし 夜空に染みわたっている
星を仰ぎ 向きを確かめ 土道を進む草履の音で 自らを確かめる
時は 止まっているのではない
ただ 待っているのだ


大内宿の家並みの中心辺りにある火の見櫓。月明りに照らされたそのシルエットがとても美しい。
村の真ん中辺りにある「火の見櫓」は
さすがに江戸時代のままとはいかず、鉄筋でできている。
されど・・・月に照らされたシルエットが美しい。


「大内宿」の美しい家並みを見渡す


大内宿の家並みの間を南北に街道が貫いている。
その北の突き当りに 村を見渡せる高台があり、上ることができる。

上る道(階段)は3本あり、街道の突き当りの向かって右側(東側)には 最も急な階段がある。

この階段は、地域で最も危険な階段と言われるほど急峻で、時々酔っ払いが転落して救急車が来るというから、脚に自信のない人は避けた方が良さそうだ。

私も上ってみたが、条件付き高所恐怖症ということもあって、階段上部まで来ると、確かに足がすくんだ。

ちなみにこの階段を上ったところには「弁天様」がいらっしゃるので、忘れずお参りしたい。

街道の突き当りから向かって左側(西側)には2つのルートがあり、1つは「子安観音堂」へ向かう階段、もう一つは「正法寺」へ向かう緩い階段とそこから続く斜面。

「子安観音堂」へと向かう階段を使う人が最も多く、たくさんの観光客が列をなして上ってゆく。

階段の幅が狭いため、上りと下りですれ違うことが難しく、高台から下りる人たちは、最も左側(西側)の緩い斜面を下り、「正法寺」さんの前を通って村へと戻る。
これがどうやら一般的なルートとなっているようだ。

家並みを見渡せるポイントは「子安観音堂」の脇すぐ近くにある。
そこには先客として眺めを楽しんでいる観光客の人だかりがあるため、階段を上がって来た人たちがそちらへ気を取られ、すぐにビューポイントへ向かってしまう。
観音堂を素通りしてしまう人が多いのだ。

「子安観音堂」は村人からも とても大切にされており、ご利益があると言う。
観光で訪れた身であっても、大内宿の美しい家並みを見渡す前に、お参りするのを忘れないようにしたい。


大内宿の北にある高台には、家並みを見渡せるビュースポットがあり、そのポイントからの美しい眺め。
GW、朝5時の大内宿――家並みを貫く街道には、まだ誰もいない。




【参考サイト】
大内宿観光協会
おいでよ!南会津

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